デンタルコラム

虫歯治療にはどれくらいの費用がかかるのか?

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

大変ありがたいことに、様々な患者様がホームページを見てお問合せをくださいます。その一方で、電話口ではどうしてもお答えしにくいご質問もしばしばあります。例えば、

  • 今口の中がこんな状態なのですが先生のところで治りますか?
  • 先生のところに通いたいのですが、遠いのでいい歯医者さんを紹介してくれませんか?
  • 今虫歯があるのですが治療にいくらかかりますか?

といったものです。このうち1つ目と2つ目に関しては、大変申し訳ないのですが「わからない」としかお答えできません。

なぜなら実際にお口の状態を診なければ、治るか・治らないかの判断はできませんし、状態が把握できないのに適切な歯科医院を紹介することもできないからです(歯科医師にはそれぞれ専門分野があるため、状態によって適切な歯科医師は変わります)。

3つ目の虫歯治療の費用についても同じではありますが、金額の目安をお伝えすることは可能です。そこで今回は、虫歯治療の費用について、症例を紹介しながらご説明します。

なお、お口の中の写真などが掲載されているため、苦手な方やお食事中の方はあらかじめご注意ください。

目次
  1. 虫歯治療の費用が「診てみないとわからない」理由
  2. 患者様によって大きく変わる、虫歯治療の費用と期間
    1. 30代男性・治療費用30万円・治療期間3ヶ月
    2. 40代女性・治療費用80万円+矯正費用・治療期間3年
    3. 50代女性・治療費用350万円・治療期間2年
    4. 50代男性・治療費用1000万円・治療期間4年
  3. まとめ

虫歯治療の費用が「診てみないとわからない」理由

大前提として「今虫歯があるのですが治療にいくらかかりますか?」というご質問に正確にお答えするとすれば、1つ目と2つ目のお問合せ同様「診てみないとわからない」というのが実際のところです。

なぜなら様々な条件によって費用も変わりますし、負担額も変動するからです。例えば以下の条件によって、虫歯治療の費用は大きく変わります

  • そもそも本当に虫歯なのか?
  • 実際に虫歯になっているのは何本か?
  • 虫歯になっている歯には神経が残っているのか?残っていないのか?
  • 保険診療の範囲内で治療できるのか?自費診療でなければ治療できないのか?
  • 健康保険の負担率は何割なのか?

仮に10,000円の費用の治療を受けた場合、健康保険の負担率が3割であれば、最終的にお支払いいただく金額は3,000円になります。

ところが一部の高齢者の方であれば負担率は1割ですから、最終的にお支払いいただく金額は1,000円で済みます。さらに言えば、お子さんやひとり親の方であれば、500円になります。

また、1本の虫歯を治療するにしても、虫歯の大きさによって費用は変動します。

虫歯の大きさ 目安となる治療費用
保険診療の範囲内で直せるほどの大きさ 10,000円×健康保険の負担率程度
詰め物が必要なほどの大きさ 詰め物代8万円+別途必要な保険診療の費用
被せ物が必要なほどの大きさ 被せ物代14万円+別途必要な保険診療の費用
神経の治療が必要なほどの大きさ 神経の治療費用10万円+被せ物代14 万円+別途必要な保険診療の費用
手術をしなければ歯を残せないほどの大きさ 手術代7.5万円+神経の治療費用10万円+被せ物代14 万円+別途必要な保険診療の費用

たった1本でもこれだけ変動があるため、虫歯が2本、3本と増えていけば、それだけ費用の計算は複雑になります。だから虫歯治療の費用について、電話口でお答えすることができないのです。

院長 奥田

当院では患者様のお口の健康を長期的な観点で考え、詰め物や被せ物に保険診療で定められている材料を使用しておりません。そのため、詰め物代・被せ物代等は自費診療の価格となります。詳しくは当院が自費診療をご提案する理由についてをご覧ください。

患者様によって大きく変わる、虫歯治療の費用と期間

繰り返しになりますが、虫歯治療の費用は「実際に診るまでわからない」というのが現実です。

以下では全部で4つの症例を紹介します。これを読んでいただければ、虫歯と一口に言っても症状がいかに多種多様で、治療のためにかかる費用や期間が千差万別だということがわかっていただけるはずです。

30代男性・治療費用30万円・治療期間3ヶ月

高校生以来歯科医院に来たことがなかった30代男性。右上の歯が大きな虫歯になり脆くなった結果折れてしまい、当院を受診された患者様です。

大きな虫歯はこの1本のみだったため、根っこの治療を行なって被せ物を施したのち、小さな虫歯は保険診療で対応しました。

詳しくはこちらの症例紹介をご覧ください。

40代女性・治療費用80万円+矯正費用・治療期間3年

長年虫歯で悩んでいた、40代女性の患者様。数年に一度は虫歯が見つかって治療を受けてきたものの、数年すると別の歯に虫歯が見つかって治療を受け……を繰り返してきたとのことでした。

診察の結果、虫歯の再発の原因は歯並びと噛み合わせにありました。再発防止には矯正治療が必要だと説明して納得していただき、矯正治療後に数本の歯に被せ物・歯茎の移植手術を実施しました。

詳しくはこちらの症例紹介をご覧ください。

50代女性・治療費用350万円・治療期間2年

歯の痛みを訴えて来院された50代女性の患者様です。

応急処置的に対症療法を行ったあと、全体的な検査をしたところ、ほとんどの奥歯の神経の治療と被せ物が必要だということが判明。インプラント手術を含む、神経の治療と被せ物の装着を実施しました。

詳しくはこちらの症例紹介をご覧ください。

50代男性・治療費用1000万円・治療期間4年

虫歯がかなり進行していた50代男性の患者様。検査の結果、ほとんどの歯を残すことができないと判断しました。

虫歯が極度に進行していると、もともとあった歯を保存することは難しくなります。とはいえそのままでは食事にも不便を感じる状態だったため、しっかりと機能を回復させるためにインプラント治療を提案しました。

患者様の同意を得たのちに治療を開始。4年間かけて、何不自由なく生活していただけるようになりました。

詳しくはこちらの症例紹介をご覧ください。

まとめ

いかがでしょうか。今の自分の症状と照らし合わせてみて、費用の参考になったでしょうか。

参考になった人も、ならなかった人も、覚えておいていただきたいのは費用も期間も、ケースバイケースということです。「私は虫歯が一本だから○万円くらい」と思っていても、実際にお口を診ると小さな虫歯が何本もあって……というケースはたくさんあります。

一度自分の歯が虫歯になると、患部を削るか抜くかしなければ進行を食い止めることはできません。仮に抜いた場合、永久歯が再び生えてくることはありません。

大切なのは、虫歯が小さいうちに歯科医院に行き、被害を最小限にとどめること。あるいは虫歯になる前に予防をすること。それが将来の歯の医療費を安く済ませる最も効率的な方法です。

仮に虫歯になっているのなら、放置すればするだけ、治療のための費用と期間は膨らんでいく一方です。「歯の治療にたくさんのお金と時間をかけたくない!」という人は、とにかくまず歯科医院に行って診てもらいましょう。

院長 奥田

生涯の歯の医療費を抑えるためには、専門技術のある歯科医院での定期的なメンテナンスが必要不可欠です。できるだけ早く「ここは信頼できる」と思える、かかりつけの歯科医院を見つけることをおすすめします。

診療内容

当院について

デンタルコラム

院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

詳しく見る