皆さんこんにちは。大阪十三のおくだ歯科医院院長、奥田裕太です。
皆さんは歯科衛生士という仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか。
- 歯科医師のアシスタント
- 施術中に唾液や水を吸う仕事 など
このようなイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、実は歯科衛生士は治療ができる資格であり、超高齢化社会へと突入している日本においては今後より重要な役割を担う仕事でもあるのです。
今回は私がこのように考える理由について、少し書かせていただこうと思います。
歯科衛生士は「治療ができる資格」です
「麻酔を打つことのできる歯科衛生士」を目指してでも触れたように、歯科衛生士はある一定の条件を満たすことで、歯科医師の補助にとどまらず、治療を行うこともできる資格です。
残念ながらメスを使って切開をしたり、薬を処方したりすることはできませんが、「歯科医師の指示がある」という条件を満たせば、歯石除去やフッ素(薬物)の取り扱いもできるのです。
これについては歯科衛生士法という法律にも明記されています。
そのためおくだ歯科医院では、創業者である父の代から、積極的に歯科衛生士に治療に関わってもらい、歯科医師と歯科衛生士が連携してより良い歯科治療を提供するべく、体制を整えてきました。
もちろん、「歯科医師の指示がある」という条件を満たしていることが大前提ですから、私からの朝礼・終礼、月1回の症例検討会などを通じて、今後の治療方針・患者様の情報共有、指示出しは徹底しています。
しかし、あくまで担当の歯科衛生士が主体的に考え、行動することが、当院の伝統となっています。
歯科衛生士「だけ」で、歯周病からお口を守れる
日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病、第二位が虫歯だとされています。軽度のものも含めると、日本人の約8割が歯周病にかかっているという予測もあるほどで、歯周病はもはや国民病と言えます。
歯周病には大きく4つのステージがあり、進行すると歯が溶けて抜け落ち、自分の歯では満足に食事を噛むことができなくなります。
加えて、歯周病が原因で歯を失うと、ドミノ式に生活習慣病(糖尿病・高血圧・心筋梗塞など)のリスクが高くなることもわかっています。
しかし初期段階の歯周病は、とてもシンプルな行動で改善することができます。それが歯科医院での定期的なクリーニングです。
日々の歯磨きではきれいにしきれない、歯の間や歯茎の隙間にこびりついている歯石を歯科衛生士の手で取り除くことで、歯周病の進行を食い止めることができます(詳しい内容についてはプロがおこなう歯石除去をご参照ください)。
つまり、歯科衛生士だけでも、患者様のお口を歯周病から十分守ることができるのです。
もちろんそのためには歯科衛生士としての技術を磨く必要がありますが、そのレベルの技術を持っている歯科衛生士は、全国にたくさんいらっしゃいます。
歯周病は私たち日本人の人生の質(QOL、クオリティオブライフ)を大きく下げかねない、重大な病気です。
それを入り口で食い止められるということは、患者様の人生の幸福度を大きく引き上げられるということ。このように考えると、つくづく歯科衛生士は素晴らしい仕事だと私は思うのです。

当院の歯科衛生士も、日々一生懸命に技術を磨いています。当院の歯石除去に関してはプロがおこなう歯石除去もご覧ください。
まとめ
国策である「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2022)」の中には、「歯科衛生士・歯科技工士の人材確保」が盛り込まれています。これは今後、日本にとって歯科衛生士が非常に重要な仕事になると国が認めたということです。
実際、今の時点でも歯科衛生士の求人倍率は約20倍(1人の歯科衛生士に対して、20件の求人がある状態)、新卒の就職率は90%を超えています。全国的な歯科衛生士不足なのです。
私は歯科医師として、歯科衛生士という仕事の素晴らしさを日々目の当たりにしています。微力ではあるものの、今後このブログでもこの仕事の素晴らしさを伝えていければと考えていますので、その際は目を通していただければ幸いです。

歯科衛生士の方々の医院見学は随時受け付けています。また、歯科衛生士の仕事についての詳しい内容は、私が対応している無料相談でもお話しできます。進路に悩んでいる学生やその親御様は、ぜひご活用ください。