デンタルコラム

深夜や旅行先で歯が痛くなった際の対処法

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

みなさんは深夜や旅行先で、我慢できないくらい歯が痛くなったことはありますか。もしくは、これを読んでいるということは、今まさにそれくらい歯が痛くなっているのかもしれません。

今回は、そんな方のために歯科医師の立場から深夜や旅行先で歯が痛くなった際の対処法についてお話しします。

目次
  1. 深夜や旅行先で歯が痛くなったら、救急外来か休日・夜間診療へ
  2. 患者様ご自身でできる対処法は?
  3. 大切なのは日々のメンテナンス
  4. まとめ

深夜や旅行先で歯が痛くなったら、救急外来か休日・夜間診療へ

「深夜や旅行先だと歯医者なんていけない!」と思うかもしれませんが、そんなことはありません

歯科にも救急外来や休日・夜間診療があるからです。深夜や旅行先で歯が痛くなったら、これらを利用するのが正解です。

救急外来はたいていの地域に設置されており、24時間いつでも対応してもらえます。

しかし、救急外来がメインで対応しているのは交通事故や外傷など重症度の高い患者様。状況によってはせっかく出向いても対応してもらえない可能性も高いので、事前に確認のうえ向かわれることをおすすめします。

対して休日・夜間診療は各地の歯科医師会に入会している歯科医師が当番制で治療を担当しています。

こちらは緊急性にかかわらず治療をしてくれるので、あらかじめ電話をしておけば対応してくれます。「もう我慢できない!」という状態であれば、「(地域名) 歯科医師会 夜間(もしくは休日)」で検索をして問い合わせてみましょう。

患者様ご自身でできる対処法は?

とはいえ「明日も仕事だし……」「旅行を楽しみたいし……」と思う人も多いかもしれません。

しかしながら、深夜や旅行先で歯が痛くなったに患者様自身でやっていただける対処法と言うと、痛い部分を氷や冷えピタなどを使って冷やすか、薬局で痛み止めを買って飲んでいただいたうえで、できるだけ早く歯科医院に行くことくらいです。

巷では「歯が痛いときには虫歯に正露丸を詰めると良い」とも言われますが、臭いのことを考えるとあまりおすすめはしません

確かに正露丸の成分は歯の痛みを抑えてはくれます。しかし基本的に歯の病気というのは痛みがないもの。にもかかわらず我慢できないほどの痛みがあるということはかなりの緊急事態です。

その痛みを正露丸で誤魔化して「ひとまずこれで大丈夫」と放置してしまうと、効果が切れた頃にはもっと状態が悪化している可能性があるのです。

氷や冷えピタ、痛み止め、正露丸、どれも痛みを緩和するだけの対処法。どのみちあとで歯科医院に行かなければならないのであれば、臭いがない氷や冷えピタ、痛み止めの方が良いでしょう。

また以下のような対処法は、痛みが増悪し、酷い場合は麻酔が効かなくなって治療できないこともあるやってはいけないことです。くれぐれも注意してください。

  • 「ばい菌を退治すれば治る」と痛みのある部分を無理に歯ブラシで磨く。
  • 「食べかすが詰まっているせいで痛むんだ」と痛みのある部分をつまようじでほじくる。
  • 「アルコールで消毒すればばい菌もいなくなる」とお酒を飲む。

前述のように歯の病気で痛みがある場合は、かなり病状が進行しています。それを歯ブラシやつまようじ、飲酒程度でなんとかしようというのは無謀というものです。

またお酒を飲み過ぎて酔っている場合、歯科医院側が周りの患者様のご迷惑になるからと治療を断る可能性も出てきます。

我慢できないほどの痛みがあるなら、できるだけ早く専門家=歯科医師に診てもらうこと。これが最善にして最速の対処法なのです。

院長 奥田

餅は餅屋、馬は馬方、歯痛は歯医者です。痛みを誤魔化すのではなく、救急外来や休日・夜間診療できちんと治療することを強くおすすめします。

大切なのは日々のメンテナンス

一度歯が痛み出すと、我慢し続けることはできないものです。特に食事時や夜間に増悪することが多いので、食べたいものが食べられなかったり、夜眠れなかったりと苦痛はなおさら大きくなります。

ただ、基本的に歯の痛みというのは突然襲ってくるものではありません。歯や歯茎がうずいたり、飲食時のふとしたタイミングで痛みがあったりと、何らかの前兆があるものです。

大切なのは、そういうときに相談できる歯科医院を持つことです。かかりつけの歯科医院があれば定期検診がありますから、異常があればすぐに適切な治療を受けられます。

長期休暇中に問題が起こりそうなら前もってお薬を出してもらったり、何かあったときに休日・夜間診療に対応している歯科医院を紹介してもらったりすることも可能です。

ともかく、大ごとになる=痛みが出る前に適切な対処と準備をしておくことが基本です。

痛みが出れば生活に支障が出るだけでなく、その歯自体を抜かなければならないケースも少なくありません。放置すれば菌が歯の神経や顎の骨に進行し、どんどん事態は悪化していきます。

病気になってからではなく、病気になる前が肝心。そのためにもまず、かかりつけの歯科医院を見つけて、お口の健康を日常的に管理することが必要なのです。

まとめ

深夜や旅行先で歯が痛くなった際に患者様自身でできる対処法は、冷やしたり、痛み止めで応急処置をしたりしつつ、歯科医院の救急外来や休日・夜間診療に行って正しい処置をしてもらうことです。

しかし虫歯にしろ、歯周病にしろ、いずれにしても1回で治療が完結するわけではありません。とりあえず痛みがなくなったとしても、放置していれば遅かれ早かれ再発します。

そのため救急外来や休日・夜間診療で対応してもらったあとも、自分が通える場所にある歯科医院できちんと治療を終わらせる必要があります。

ちょうどいいきっかけだと思って、これを機に信頼できるかかりつけの歯科医院を見つけておきませんか。

今の医療は歯科でも医科でも予防の時代です。人間ドックや健康診断と同じように、歯科医院でのお口のメンテナンスも日常的に行って、健康で健口な人生を楽しんでいただければと思います。

院長 奥田

当院では歯科医師、歯科衛生士など専門家が考える信頼できる歯科医院の選び方をプロが考える「歯医者の選び方」まとめで紹介しています。ぜひあわせて参考にしてください。

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当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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