デンタルコラム

医科歯科連携への取り組みについて

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

当院は名前の通り歯科医院ですが、患者様の血圧を測らせていただくことがあります。なぜ歯医者なのに血圧を測るのか。

それは後で詳しく説明しようと思っていますが、簡潔に言えば医科歯科連携のためです。

医科歯科連携は近年国をあげて取り組まれている施策です。つまるところは「従来は別々で検査・診断をしていた医科と歯科が連携することで、患者様の健康をトータルサポートし、病気がひどくなる前に対処しよう」というもの。

今回は当院が実践している医科歯科連携の取り組みについて紹介するとともに、歯科医院が患者様の健康を守るために、とても重要な役割を果たす場所だということを知っていただければと思います。

目次
  1. 当院が患者様の血圧を測る理由とは?
  2. 歯科医院は「病気の予兆」を見つけやすい
  3. 「家族みんな」で同じ歯科医院にかかるメリット
  4. まとめ

当院が患者様の血圧を測る理由とは?

おくだ歯科医院では、患者様の病状に応じて血圧を測らせていただくことがあります。

なぜかというと、歯周病や虫歯といったお口の病気は、高血圧症や糖尿病といったいわゆる生活習慣病と同じ、慢性疾患だと考えているからです。

そのため重度の歯周病や虫歯が見つかった場合、同時に「他にも生活習慣が原因で発症する病気を抱えているのではないか?」という可能性を疑って血圧を測定するわけです。

ただし、血圧は簡単に測ることができますが、血液検査や糖尿病検査を歯科医院で行おうとすると、どうしても保険の効かない検査になってしまうため、大きな費用がかかってしまいます。

だからお口の状態を見て、他の部位の病気の可能性に気づいたら、信頼のおける医科の先生に紹介をすることになります。

こうやって、患者様がまだ自覚していない病気、あるいは定年退職後に健康診断などを受けなかったことで見つかっていない病気を、お口の状態から推測し、医科へとバトンを渡すこと。これが医科歯科連携なのです。

歯科医院は「病気の予兆」を見つけやすい

医科歯科連携を実現するためには、歯科医院はかかりつけ歯科医になる必要があると私は考えています。

かかりつけ歯科医とは、安全・安心な歯科医療の提供のみならず医療・介護に係る幅広い知識と見識を備え、地域住民の生涯に亘る口腔機能の維持・向上をめざし、地域医療の一翼を担う者としてその責任を果たすことができる歯科医師をいう。

引用:日本歯科医師会

簡単に言えば、お口の病気を治すだけではなく、より広い分野にも通じた医療従事者として地域の方々の健康を守ることができる歯医者のことです。

私はもともと歯科医院を、このような役割を果たすために最適な場所だと考えています。というのも、歯科医院は医科の病院とは違い、定期検診を保険の範囲内で行うことができるからです。

思い出してみてください。みなさんは子供や親の付き添い以外で、自分が病気でない時に病院に行く機会はありますか。

熱や胃痛、体調不良、高血圧など、何かしらの症状があって、それを治すための治療を受けに行くことが大半のはずです。

なぜなら、医科はあくまで病気を治すところであり、健康な人に検査などをする場合は自費診療という形になってしまうからです。

そのため、会社や自分で検査を受けている人以外は、病気が重症化してから病院にかかることが増えるのです。

一方、歯科医院には数ヶ月に一回、定期検診を保険診療として実施し、長い人生におけるお口の健康を歯科医師と歯科衛生士で支えていくというシステムがあります。

例えば最近体重が増加しており、かつ口の中の炎症が多くなっているという場合は糖尿病を疑ったり、口臭と体の病気には深い関係がありますでも触れたように、お口の臭いから内臓疾患を疑ったりすることができます。

診察室のチェアーを倒した途端にいびきをかいて寝てしまう、ベロの肥大がある、といった患者様は、睡眠時無呼吸症候群を疑うこともあります。

このように歯科医院は、検診を通じて定期的にお会いしてその都度の変化をつぶさに観察できるので、病気の予兆を見つけやすいのです。

院長 奥田

だから当院は今後、内科や外科、耳鼻咽喉科、整形外科、口腔外科、心療内科など様々な医科と連携することで、より多くの患者様の健康を守っていきたいと考えています。

「家族みんな」で同じ歯科医院にかかるメリット

また、歯科医院は患者様ご本人に予兆が出る前の段階から、病気の可能性を予測できることもあります。

なぜなら歯科医院は、長年患者様とお付き合いするなかで、奥様・旦那様、御子息・お嬢様、ご両親やご兄弟、場合によってはご親戚まで紹介いただく場合があるからです。

特に、同じ家で暮らしているご家族の場合、同じような食生活をしている可能性が高くなります。

すると親世代が生活習慣病などを発症していると、子供世代も将来的に発症したり、すでに軽度の発症が見られたりすることがあるのです。

こういうことがわかっていれば、歯科医師から重症化する前に「こういう病気の可能性があるかもしれないから、早めに診てもらってくださいね」と医科の受診を勧めることができる、というわけです。

食生活などから来る病気が親子2世代で続いたとなれば、続く孫世代には苦労をさせまいと、早いうちから歯医者に通う習慣や食習慣を身につけさせる方も少なくありません。

家族みんなで同じ歯科医院にかかることで、相乗効果的に健康になっていくのです。これは患者様の家族様ともつながりが深い、歯科ならではのアプローチだと考えています。

まとめ

日本国民の寿命が伸びるにつれ、健康でいることは人生の幸福度に大きく関わってきます。そう考えれば、政府が国策として医科歯科連携を掲げているのも納得がいきます。

当院も、大切な患者様が病院に行かないまま症状を悪化させてしまわないためにも、信頼できる医科との連携によって患者様の健康をトータルでサポートしたいと考えています。

おくだ歯科医院が、歯医者であるにもかかわらず血圧を測らせていただくことがあるのは、その取り組みの一つなのです。

院長 奥田

だからこそ私を含めた当院のスタッフは、お口の病気以外の知見についても日々研鑽を続けています。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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