デンタルコラム

「第8回・9回合同SAFE学術大会」に参加してきました

みなさん、こんにちは。おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

歯科医師や歯科衛生士が自身の医院で経験できる症例には限界があります。一人の歯科医師、歯科衛生士が診ることのできる患者様の数には限りがあるからです。

だからこそ他の先生方からご指導いただいたり、情報交換をさせていただいたりして、自分だけでは経験できない症例について学ぶことが大切だと私は考えております。

当院の歯科医師、歯科衛生士が積極的に学会や勉強会に所属・参加しているのはそのためです。

去る2023年7月16日〜17日に開催された「第8回・9回合同SAFE学術大会」には、私を含めた歯科医師と歯科衛生士の合計8名で参加をし、様々な学びを得てきました。

今回はこのSAFEというスタディクラブについて紹介するとともに、今大会の内容についてお話しできればと思います。

目次
  1. SAFEについて
  2. 第8回・9回合同SAFE学術大会
  3. まとめ

SAFEについて

SAFEとはSharing All Failed Experiencesの略称で、インプラントにおけるトラブル症例の原因リカバリーの検証を行うことを目的としたスタディクラブです。

本来トラブル症例はあってはならないものですが、医療に「絶対」がない以上、やむを得ずトラブルが起きてしまうケースはあります。

SAFEはそうしたトラブル症例がなぜ起きたのか、どのように対処したのかを検証・共有することで、「より安全で安心できるインプラント治療を実践しよう」という思いから、2008年にスタートしました。

当院の前院長である奥田裕司は設立当初から参加しており、大阪を中心にインプラントメーカーやスタディクラブなどの垣根を超えて、活発に意見交換を行なってきました。

第8回・9回合同SAFE学術大会

大会1日目のテーマは「生物学的合併症」。

生物学的合併症とは、インプラント周辺の歯肉から出血などが見られるインプラント周囲炎のほか、インプラントの周りの骨がなくなったり、歯茎が下がったり、インプラントが抜けたり折れたりといった症状を指します。

こうした症状の原因や解決策は未だはっきりとしていないものも多く、今も世界中で議論が続けられています。

前院長・奥田裕司は医療行為が原因となって起こる生物学的合併症について登壇し、インプラント治療後の長期間の検証に基づいた注意喚起を参加者に対して行いました。当院の前院長ながら、歯科医師40年の経験や知識の深さを体感しました。

また私と歯科衛生士の太田めぐみも、同日に「過去の資料採得が⾃分の臨床を変える」をテーマに、インプラント治療における当院での取り組みやインプラント周囲炎を起こさないために必要なことについてお話しさせて頂きました。

2日目は審美的合併症、すなわちインプラント治療後の見た目に関するトラブルをテーマに、様々な先生方や歯科衛生士の方々からの発表を聞かせていただきました。

おくだ歯科医院からの登壇者はいませんでしたが、臨床の現場に立っているだけでは知ることのできない貴重なお話を聞くことができました。

まとめ

今回のSAFEは、コロナ禍の影響で久しぶりの開催となりました。前日登録で参加者は300人近く集まっており、歯科衛生士の方の参加も非常に多かったように感じました。

長らく会えていなかったSAFEメンバーにもたくさん会うことができ、楽しくも緊張感ある講演をすることができました。

2016年からコツコツと製作が進められていた、全6巻のインプラントのトラブルシューティングガイドも発行されました。若輩ながら私も何ページか執筆いたしましたが、本当に勉強になる経験をさせていただきました。

お休みをいただき、患者様にはご迷惑をおかけしましたが、この学びをまた現場に落とし込み、患者様に還元することができればと考えています。

院長 奥田

より安全で安心できるインプラント治療の提供を目指し、スタッフ一同精進して参ります。

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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