デンタルコラム

「歯科医師としての考え方」を学ぶ勉強会に参加してきました

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

先日、東京で開催されたConsultation-and-Sequential-Treatment-Planning-Course-in-Tokyo(以下CSTPC)という勉強会に参加してきました。

この約1年間、毎月土曜日にお休みを頂いて参加してきた勉強会で、患者様にはご迷惑をおかけしたものの、おくだ歯科医院が目指す「後悔をさせないための歯科治療」により近づくための学びを得ることができました。

CSTPCは知識と技術を学ぶ勉強会ではなく、歯科医師として患者様に本当に幸せになっていただくためのアプローチの考え方を学ぶ勉強会です。

今回はどうしてこのような勉強会に参加したのか、具体的にどのようなことを学んできたのかについてご紹介できればと思います。

目次
  1. なぜ「歯科医師としての考え方」を学ぶことが必要なのか?
  2. 『プロフェッショナル デンティストリー』との出会い
  3. CSTPCで学べたこと
  4. まとめ

なぜ「歯科医師としての考え方」を学ぶことが必要なのか?

「歯の病気を治す仕事なのに、どうして治療の技術ではなく考え方を学ぶ必要があるのか?」と思う人も多いかもしれません。しかし歯科治療を長い目で見た時、歯科医師としての考え方はとても重要なことなのです。

私たち歯科医師は、大学、国家試験、大学病院での研修など合計7年以上の教育を受けます。それらは主に虫歯や歯周病の知識を学んだり、治療のための技術を習得したりすることに費やされます。

一般教養しかない学生にたった7年ほどで解剖学や生理学、歯科の病気や治療について学ばせるわけですから、それ以外のことに時間を使う余裕はないのです。

そのため研修を終えて歯科医師になった当初、私の頭の中は「どうしたらこの歯を治せるのか?」「どうすればきれいに治療ができるだろうか?」ということでいっぱいでした。

そうして毎日必死になって腕を磨いた結果、5年目になった頃には一通りの治療をこなせるようにはなっていました。

しかしちょうどその頃、数年前に自分が治療した患者様の虫歯が再発するという経験をします。

それもそのはず、当時の私は目の前の歯を治すことしか考えておらず、なぜその歯が虫歯になったのか、その原因を解決するためにはどうすればいいのかについては考えていなかったからです。

その時の私にはある程度の知識も、技術もありました。足りないのは「歯科医師としての考え方」だったのです。

『プロフェッショナル デンティストリー』との出会い

どうすればいいのかと悩んでいた時に、紹介されたのが『プロフェッショナル デンティストリー 患者から信頼される歯科医療とは』という本でした。

著者の木原敏裕先生は、当院の前院長であり、私の父でもある奥田裕司と大学の同級生であり、40年以上のキャリアを持つ歯科界を索引される歯科医師です。

この本には次のようなことが書かれてありました。

  • 歯科治療は経験や勘に頼って行うものではなく、的確な診断と適切な治療計画のもとに行われなければならない。さもなければ、治療結果は不確実なものになってしまう。
  • どこに問題があって歯の病気になっているのか?その問題を解決するには何が必要か?それを考えることが歯科治療の第一歩である。
  • 歯科医師とは歯を治すプロフェッショナルであり、プロフェッショナルとは「結果が全て」「結果に報酬がついてくる」「言い訳をしない」「人に感動を与える」の4点を満たす人間のことである。

当時の私はこの本に書かれている歯科医師としての考え方や行動にとても感銘を受け、その後の歯科医師生活における指針を手にしたのです。

CSTPCで学べたこと

CSTPCは、この木原敏裕先生が講師を務めておられる勉強会です。

勉強会では、初診の資料のみを使って患者様に行う診断や治療計画、それらをご理解いただくための説明方法などを具体的に立案していきます。

全10回の中で参加者1人が合計4ケースを担当。毎回約7名の参加者でそれぞれのケースについてディスカッションを行います。

この勉強会の中で木原先生は、今の自分はプロとして何ができていて、何ができていないのか、できていないことができるようになるために何が必要なのか、できていると思っていることは本当にできているのか、を問い続けるよう何度もおっしゃっていました。

「技術があるのは当たり前。その武器の使い方をよく理解しなければならない」という言葉が、とても印象に残っています。

また、ディスカッションの中でも、わかっているつもりになっていたところ、今までの考え方で間違っていなかったと再確認できたところなど様々な学びがありました。

これまで培ってきた知識や経験がより整理され、洗練された全10回でした。

まとめ

約1年間CSTPCに参加する中で、歯科の世界とは全く違うプロフェッショナルからお話を聞く機会もいただきました。

ある時は指導者としてプロ野球界を46年間も支えておられた福田功さんから、様々なプロ野球選手の生き方や考え方を教えていただきました。

またある時は元横綱の鶴竜親方から、言葉の壁を乗り越えて角界のトップにまで上り詰めた体験や、指導者としての考え方、メンタルや体調の管理方法などについて教えていただくことも。

歯科医師としてだけでなく、人としても大きく成長できたように感じています。

院長 奥田

この勉強会に参加するために毎月のようにお休みをいただき、患者様にはご迷惑をおかけしました。しかしそのぶん、CSTPCでの学びと、今まで父から得てきた学びをうまく融合させ、患者様により幸せになっていただけるような治療を提供していきたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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