デンタルコラム

理想の笑顔を取り戻すために。当院が導入している「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」について

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

昨今、デジタライゼーションやDXといった言葉が経済産業省のレポートをはじめあちこちで聞かれるようになりました。

医科界もその例に漏れず、CTやMRIのほか、コンピューターを使った手術ナビゲーションシステムや手術用ロボット、VRを利用した手術練習用ソフトの開発とさまざまな分野でのデジタライゼーションが進められています。

歯科界でも歯科用CTの普及率は20%を超えており、より良い医療を提供するために最新の技術を導入する歯科医院が増えてきています。

今回は近年歯科界で話題になってきており、当院でも導入している「口腔内スキャナー」「フェイススキャナー」についてご紹介します。

なお、今回のデンタルブログではお口の中の写真を掲載しています。お食事中の方や苦手な方は十分ご注意ください。

目次
  1. 歯科治療を変える「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」とは?
  2. 「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」の使用例
  3. まとめ

歯科治療を変える「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」とは?

口腔内スキャナーとはお口の中の情報を3Dモデル化できる設備のこと。これまで粘土のようなものを使って行っていた歯の型取りをデジタル化できる技術です。

「なんだ、粘土でやっていたのがデータになっただけか」と思うかもしれませんが、それは大間違い。口腔内スキャナーには多くのメリットがあります。

あらゆる角度からお口の中を観察できるため、従来のやり方よりも正確な型取りができるほか、AIを使ったシミュレーション、虫歯・歯石の細かなチェックも可能になります。

結果として詰め物・被せ物の作成、矯正治療、インプラント治療の精度が格段にアップするのです。

しかし審美的な治療(=歯や笑顔の見た目に関わる治療)を行う場合、口腔内スキャナーのデータだけでは不十分なケースも少なくありません。

歯ぎしりがもたらす、“笑顔への悪影響”とは? でも説明した通り、理想の笑顔を取り戻すには噛み合わせをかさ増ししたり、前歯の形を変えたりと、顔貌に合わせた処置が必要になるからです。

そこで活きるのが、患者様のお顔のデータを取り込み、3Dモデル化できるフェイススキャナーです。

フェイススキャナーのデータと口腔内スキャナーのデータを重ね合わせることで、どんな治療をしたら、見た目がどう変わるかを正確にシミュレーションできるのです。

「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」の使用例

以下では、「口腔内スキャナー」と「フェイススキャナー」を使用して理想の笑顔を取り戻した患者様をご紹介します。

この患者様は事故で前歯を失ってしまいました。当院ではまず口腔内スキャナーでお口の中の状態をデータとして取り込みます(右)。仮に口腔内スキャナーしかない場合は、このデータをもとに前歯を作って治療は終了ということになります。

しかし、この患者様は笑っていても下の歯しか見えないような状況でした(左)。ただ前歯を作るだけでは、理想の笑顔にはなりそうもありません

実際、フェイススキャナーを併用して前歯を作ったあとのシミュレーションをしてみましたが、やはりきれいな笑顔にはなりませんでした(右)。

こちらはどの位置に前歯を作れば、きれいな笑顔になるのかをシミュレーションしている様子です。フェイススキャナーがなければ、こうしたシミュレーションはできません。

このケースでは、前歯を作ったうえで噛み合わせを少しかさ増しすれば、理想の笑顔にできるということがコンピュータ上でシミュレーションできました。

上の写真はシミュレーションをもとに、3DプリンターやCAD/CAMというソフトを利用して作成した仮の歯です。

スキャナーを使えば、確かに歯科医師の経験と勘に頼るしかなかった従来よりも、正確に治療ができます。

だからと言って、シミュレーションの結果を鵜呑みにしていきなり歯を作ると、見た目や噛み合わせの面で問題が生じるリスクがあります。

そのため当院では、シミュレーション通りの笑顔が実現できるのか、噛み合わせが変わったことによって食事や発音に問題はないのかを確認するために、一度仮の歯を作成しているのです。

術前/仮の歯を装着した状態
術前/仮の歯を装着した状態

右下の写真は仮の歯を入れた当日のものなのでまだ表情筋に緊張がありますが、慣れていくにつれ自然な笑顔になっていきます。

また、仮の歯もこれで完成というわけではなく、この後も繰り返し調整していきます。最終的な被せ物の作成は、仮の歯が見た目・噛み合わせ共に問題のないことを確認できてから行います。

テクノロジーの進歩はより良い医療を提供するために必要不可欠です。しかし人体にはまだまだわかっていないことも多く、全てを機械任せにするのはまだ早いと考えています。

だからこそ最新の技術と人の手の両方をフルに活用して、一人ひとりの患者様のお口と徹底的に向き合っているのです。

まとめ

日本での口腔内スキャナーの普及率は4%程度。アメリカをはじめとする諸外国では40%超であることを考えると、まだまだこれから普及していくべき技術です。

一方のフェイススキャナーになると、そもそも日本での普及率の調査が存在しません。それくらい日本で導入している歯科医院はごく少数です。

当院では口腔内スキャナーを4〜5年前に、フェイススキャナーを1年前に導入。保険適用外の技術にもかかわらず、すでに多くの患者様に喜んでいただいています。

理想の笑顔を取り戻したい。そうお考えの方は、ぜひ一度当院までお問い合わせいただければ幸いです。

院長 奥田

思い切り笑えるかどうかはQOL(人生の質)に大きく影響します。ぜひこの機会に理想の笑顔を取り戻しませんか?

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当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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