デンタルコラム

臨床実習生教育係の仕事とは?苦労ややりがい、自分自身の成長について【歯科衛生士インタビュー】

みなさん、こんにちは。大阪十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。

歯科衛生士になるためには専門学校で様々なことを学ぶとともに、臨床実習といって実際に歯科医院で働き、臨床の現場を経験する実習を受ける必要があります。

当院は現在、2つの歯科衛生士専門学校から、年間10人を超える歯科衛生士の卵を臨床実習生として受け入れています。

実習生のお世話をしているのが教育係です。教育係は自身の歯科衛生士の仕事をきっちりとこなしながら、実習生のサポートをしなければならない大変なポジションです。

今回は今年度初めて教育係となった当院の歯科衛生士・松田に、教育係の仕事について色々な角度から話を聞いてみました。

これから歯科衛生士になろうという方はもちろん、歯科衛生士という仕事について知りたいという一般の方も、ぜひご一読いただければと思います。

目次
  1. 「プロとして生き生き働く先輩たちに憧れて」おくだ歯科医院を選んだ理由
  2. 「実質、常時4人の実習生をお世話しています」実習生教育係としての仕事
  3. 「先輩としての“責任”を、初めて自覚させてもらいました」半年の経験で思い知った、先輩たちの大きさ
  4. 「患者様のお口の健康を、常に考え続けること」歯科衛生士としての“芯”
  5. まとめ

「プロとして生き生き働く先輩たちに憧れて」おくだ歯科医院を選んだ理由

__まずは簡単な経歴を教えてください。

松田:2020年3月に歯科衛生士専門学校を卒業して、4月からおくだ歯科医院に入職しました。今年で4年目になります。

__どうしておくだ歯科医院を選んでくれたんですか?

松田:医院の見学に来た時に、歯科衛生士の先輩方がプロとして生き生きと働く姿を見て、自分もあの中で働きたいと思ったからです。

私は学生時代、1年ほどかけて6カ所の臨床実習を経験しました。1カ所につき1ヶ月半〜2ヶ月くらい働かせていただいて、中には大学病院のような専門性の高い施設もありました。

その6カ所と比べてみても、おくだ歯科医院の現場の雰囲気がすごく良くて。もともと歯周病の分野に進みたいと考えていたのもあり、「ここで働きたい」と決めました。

「実質、常時4人の実習生をお世話しています」実習生教育係としての仕事

__松田さんには2023年の4月から現在に至るまで、実習生の教育係をお願いしていますが、教育係の仕事について教えてください。

松田:診療時間外は、主に実習生の方のレポートのチェックです。臨床実習期間中、実習生の方は毎日、その日見学やアシスタントをした患者様の症例の概要、それについて考えたこと、実習の感想や反省などを専用のノートに書いてきてくれます。

私の仕事はそれに全て目を通して、フィードバックやコメントを書き込み、実習生の方に返却することです。みなさんびっしりと丁寧に書いてくれるので、なかなかに読み応えがあります。

あとは前日に翌日の患者様のアポイントをチェックして、「○○さんはこの患者様、△△さんはこの患者様」というように、見学やアシスタントに割り振っていくのも教育係の仕事です。

__診療時間中はどうですか?

松田:基本はアシスタントのやり方のレクチャーです。

実習生の方は、学生時代の私と同じく他の歯科医院でも実習を受けてきているケースもありますが、おくだ歯科医院の場合、同じ治療でもやり方が他院と大きく違うことが少なくありません。

なので、おくだ歯科医院の治療の流れや準備しておくものを、一から順に伝えていきます。

__松田さん自身の業務や勉強もあるから、けっこう大変ですよね。

松田:そうですね(笑)。

微妙に時期はずれているものの、2ヶ月交代で、2つの学校から1校あたり2人ずつ臨床実習を受けに来るので、実質常時4人の実習生をお世話していることになりますから……。

「先輩としての“責任”を、初めて自覚させてもらいました」半年の経験で思い知った、先輩たちの大きさ

__半年間、教育係をやってみて苦労したことはありますか?

松田:伝え方には苦労しました。実習生の方々は一人ひとり違う人間なので、同じ治療を同じように説明しても、伝わり方が違ったり、理解度が違ったりするんです。

説明する度に「今伝わっているかな?」と考えながら話をしていました。

__どうやってその壁を乗り越えたんですか?

松田:乗り越えられたのかはまだわかりませんが(笑)、去年まで教育係をしていた先輩にアドバイスをもらったり、自分なりに伝え方を工夫してみたりしました。

あとは、業務の合間にこまめに声掛けをして、何か困っていることはないか、フォローできることはないかとアンテナを張るようにしました。

実際、言葉で伝えていてもあまり伝わっている感覚がなかったので、目の前でやってみせてから、実習生の方にもやってもらうことで「あ、伝わったな」と感じた瞬間があって。そういう場面があると、嬉しくなります。

__他に、教育係をやっていて嬉しかったこと、やりがいを感じたことはありますか?

松田:最初は何をするにも緊張でガチガチな実習生の方が、実習期間が進むにつれて、うまくアシスタントができていたり、患者様とのコミュニケーションがうまくできるようになっていたりするのを見るとやりがいを感じますね。

__教育係を通じて、松田さん自身が成長したことはありますか?

松田:先輩としての“責任”を、初めて自覚させてもらったなと思います。

私は今年で4年目ですが、入った時からずっと「一番後輩」なんです。だから今までは教えてもらってばかりでした。

でも教育係を担当する以上、私は実習生の方々の様子に常に目を配っていなければならないし、指導の内容にも責任を持たなければいけません。この半年間は「しっかりしなきゃ」と思う毎日でしたね。

「患者様のお口の健康を、常に考え続けること」歯科衛生士としての“芯”

__では最後に、松田さんが歯科衛生士として大切にしていることは何ですか?

松田:患者様のことを、第一に考えること。患者様のお口の中が、よりよくなるためのサポートをするためにはどうしたらいいのかを、常に考え続けることだと思います。

お口の病気は重症化するまで痛みなどがないものが多いので、私たち歯科衛生士が油断をすると、知らない間に症状が進行してしまいます。

そうならないためには、「忙しいから」などといった自分本位な理由で中途半端な治療をするのではなく、一人ひとりの患者様と丁寧に向き合うことが大切なのかなと思いますね。

__そうですね、とても大切なことだと思います。今日はありがとうございました。

まとめ

おくだ歯科医院では、歯科衛生士のスタッフがプロフェッショナルとして、技術面だけでなく、人間性の面でも成長できる環境を目指しています。

今回話を聞いてみて、松田が一歩一歩、立派な歯科衛生士へと成長してくれていることがわかり、院長として誇らしく思いました。

また、私たちは「患者様のお口の健康のためにできることを、常に考え続けている」と言う松田と同じ思いで患者様と向き合っており、その結果として、患者様のお口の健康はもちろんのこと、歯科医療全体がより良くなることを望んでいます。

今回のインタビューを通じて、少しでも患者様や実習生、またはこれから実習生になる方々にこの思いが伝わっていれば、こんなに嬉しいことはありません。

院長 奥田

松田さん、今回は自分の考えや思いを一生懸命言葉にしてくれて、ありがとうございました。

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当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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