デンタルコラム

歯医者の定期検診でレントゲン、撮っていますか?

レントゲン説明イメージ

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。みなさんは、歯医者の定期検診でレントゲンを撮っていますか?

歯科医院での定期検診の重要性が、近年少しずつ広まりつつあります。事実、定期検診を受けている患者様の歯周病のリスクは、受けていない患者様に比べて5分の1にも減少し、65歳時点での年間医療費も15万円以上安くなるという報告があります。

しかし一方で、「自分は定期検診に行っているから大丈夫」と思い込んでいる方はまだまだ多いように思います。

実はお口の健康を維持するには、患者様のお口の状態や体質に合った定期検診をすることが大切ですし、そのためにはレントゲンやCTなどの撮影、歯周病の検査などが必要になる場合もあります。

今回は当院が考える、お口の健康に効く定期検診のポイントについてお話しします。定期検診に行ったことがないという方はもちろん、毎月のように定期検診に行っているという方もぜひご一読ください。

目次
  1. 「オーダーメイドの定期検診」と「総合的な検査」
  2. 「オーダーメイドの定期検診」が必要な理由
  3. 「総合的な検査」が必要な理由 
  4. 症例紹介―自分に合った定期検診の大切さ
  5. まとめ

「オーダーメイドの定期検診」と「総合的な検査」

定期検診と一口に言っても、日本には全国に6万7,000を超える歯科医院があり、それぞれの医院にやり方・考え方があります。

そのため正解・不正解といったものはありませんが、おくだ歯科医院では「オーダーメイドの定期検診」と「総合的な検査」がとても大切だと考えています。

「オーダーメイドの定期検診」とは文字通り、残っている歯の本数や歯磨きの得手不得手、虫歯リスクの高さなど、患者様のお口の状態や体質に合わせた定期検診のことです。

また、「総合的な検査」とは初診時もしくは年に1回以上行う検査のことで、具体的にはレントゲンやCTの撮影、歯周病の検査、お口の中の写真撮影などを指します。

「オーダーメイドの定期検診」が必要な理由

企業の健康診断や人間ドックなどでは、患者様が自分の健康状態や体質に合わせてメニューを選びます。これは、健康状態や体質によって、かかりやすい病気が違うからです。

当院がオーダーメイドの定期検診を大切にしているのも、同じ理由です。前述したような残っている歯の本数や歯磨きの得手不得手、虫歯リスクの高さ以外にも、歯周病の進行しやすさ、歯石のつきやすさなども人それぞれ違います。

こうした個人差を無視して定期検診のプログラムを組むと、例えば全く歯石がついていないのに定期検診を受けに来られる患者様がいたり、歯石がびっしりとついて歯周病が悪化してからようやく定期検診の日を迎える患者様がいたりしてしまうことになります。

当院ではこのような事態を防ぐために、患者様一人ひとりに合わせた定期検診プログラムを組んでいるのです。

「総合的な検査」が必要な理由 

お口の中の病気には、目で見て行う診断(視診)だけでは判断のつかないものが少なくありません。例えば、小さな虫歯であれば単純に見逃す可能性もありますし、詰め物の中の虫歯は外側からは発見しようがありません。

他にも歯周病の指標となる歯周ポケットの深さの変化、微妙な歯並びの変化など、お口の中には視診だけでは発見できない変化がたくさんあります。

これらの病変や変化は、長期間放置していれば痛みや腫れ、出血、ニオイなどの症状となって現れる場合がありますが、その時点では重症化していることも多いため、事前に発見して処置を施すことが大切だと当院では考えています。

当院が、初診時もしくは年に1回以上の総合的な検査を行っているのは、こうした病変や変化を事前に発見するためです。

症例紹介―自分に合った定期検診の大切さ

以下で紹介するのは、当院で25年以上定期検診を受けられているA様と、他院で25年以上定期検診を受けてこられたB様の症例です。

「長年歯科医院での定期検診を受けてきた」という点では同じA様とB様ですが、お口の健康状態には大きな違いがあります。

A様は当院でインプラントの治療を受けたのち、A様に合わせたオーダーメイドの定期検診と総合的な検査を25年以上受けてこられました。

その結果、インプラントを含むお口全体に大きなトラブルや入れ歯を使用することもなく、現在に至ります。

これに対して、B様がはじめて当院を受診された時のお口の状態がこちらです。25年以上他院の定期検診を受けていたにもかかわらず、歯周病はかなり進行しており、何本かの歯は指でも抜けてしまいそうなほどぐらついていました。

お話を聞くと、数年前に歯周病を指摘され、歯が揺れているからと隣の歯と接着剤を使って止めてもらったものの、食事がしにくいので当院を受診したとのことでした。

治療の結果、数本の歯は残すことができたものの、その他の歯は入れ歯に代替せざるを得ませんでした。

このように、どんなに長い間定期検診を受けていても、それがお口の状態や体質に合っていなければ、お口の健康を守ることはできないのです。

まとめ

お口の中の状況や体質は、患者様それぞれです。そのため定期検診ひとつとっても、合う・合わないがあるものです。

だからこそ、A様のように大きなトラブルもなく生活をできている患者様がいる一方で、毎月のようにクリーニングを受けていても歯周病が重症化してしまうB様のような方もいるのです。

正直なお話をすれば、当院のような定期検診が「自分には合わない」と言って他院に移られる方もいないわけではありません。

いずれのケースにせよ、大切なのは自分のお口の健康と向き合い、自分に合った歯科医院を選ぶこと、だと私は考えています。逆に言えば一番怖いのは、なんとなくで定期検診を受け続け、自分で選ぼうという意識を持たないことだと思います。

ぜひこれを機会に「そういえば、今の歯医者の定期検診はどんなことをやっているんだろう?」と振り返っていただければ幸いです。

院長 奥田

当院ではご予約をいただければ、治療目的でなくとも受診いただけます。ただしその場合でも、初診時にしっかりと検査をし、専門家の立場から治療等が必要と判断した場合は、自費診療を含めた治療プランをご提案することがあります。お口の健康と一度しっかり向き合ってみたい、という方は、ぜひお電話からご予約くださいませ。

診療内容

当院について

デンタルコラム

院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

詳しく見る