デンタルコラム

インプラントの定期検診は専門の歯科医院へ

みなさん、こんにちは。おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

「インプラントを入れたら、もう歯医者に行かなくても大丈夫」。

そう考えている患者様も少なくありません。しかしインプラントも、天然の歯同様、定期検診が必要です。

しかもインプラントの定期検診と、天然の歯の定期検診では、必要な技術や知識が異なります。そのためインプラントを入れている方は、専門の歯科医院で定期検診を受けられることをおすすめしたいのです。

今回はインプラントと天然の歯の定期検診の違いについて、具体的に説明したいと思います。

目次
  1. インプラントにも定期検診が必要
  2. インプラントの定期検診の流れ
  3. インプラントの定期検診は専門の歯科医院へ
  4. まとめ

インプラントにも定期検診が必要

「そもそも、どうしてインプラントに定期検診が必要なの?」と考えている人もいるかもしれません。

確かにインプラントは虫歯にはなりません。チタンで作られているので、虫歯菌では溶かすことができないからです。しかし、賛否両論あるものの、天然の歯よりもインプラントの方が歯周病になるリスクは高いのです。

2016年にNHKの『シブ5時』は、インプラント治療後3年以内の患者のうち、40%以上の人がインプラント周囲粘膜炎(インプラント周りの歯茎が腫れる)やインプラント周囲炎(インプラント周りの骨が溶ける)を発症していると報道しました。

その後も様々な研究が出ていますが、「80%の人がインプラント周囲粘膜炎を発症している」「30〜55%の人がインプラント周囲炎を発症している」といった報告もあるほどです。

しかも天然の歯の歯周病に比べて、インプラントの歯周病の方が進行速度が圧倒的に速いということもわかっています。歯周病を放置していれば、インプラントが抜けて再手術が必要です。当然それには、お金も時間もかかります。

解決策は大きく2つ。一つは「インプラントを歯周病にしない」、もう一つは「インプラントが歯周病になったら、早期に適切な治療をする」です。

そのためにはプロ=歯科医師や歯科衛生士の力を借りて、定期検診を通じてメンテナンスをするしかありません。だからインプラントには定期検診が必要なのです。

院長 奥田

インプラントの定期検診の必要性については、寿命を延ばすためのメンテナンスでも詳しくご説明しています。

インプラントの定期検診の流れ

インプラントの定期検診は天然の歯の定期検診と基本的に同じです。すなわち、

  • 問診
  • 検査
  • プロフェッショナルケア、クリーニング
  • 調節
  • アドバイス

5段階で構成されています。

問診前回からの変化について、様々な角度からヒアリングを行います。
検査歯周病の重症度検査、レントゲン撮影、お口の中の写真撮影などを行います。
プロフェッショナルケア、クリーニング患者様自身の歯磨きでは磨ききれない場所を、歯科衛生士の手できれいに磨き上げます。その後、特殊な器具を使って歯石のクリーニングを行います。
調節ナイトガード等の噛み合わせの調節を行います。
アドバイス歯磨きの指導、食事指導など、患者様の状況に応じたアドバイスを行います。
院長 奥田

天然の歯の定期検診も、インプラントの定期検診に劣らず大切なので、ぜひ歯医者で定期検診を受けるメリットと、おくだ歯科医院の定期検診の内容についてを読んで、詳細をご覧くださいませ。

インプラントの定期検診は専門の歯科医院へ

「定期検診の内容が同じなら、どこの歯科医院で定期検診を受けてもいいよね」と思うかもしれません。しかし冒頭でも書いたように、インプラントの定期検診と天然の歯の定期検診では、必要な技術や知識が異なります

具体的には、検査、プロフェッショナルケアとクリーニングの難易度が高くなるのです。

検査が難しくなる原因は、インプラントが直接骨にくっついているからです。天然の歯は歯根膜という組織があり、歯と骨がじん帯でくっついています。

この歯根膜は噛む時のクッションの役割を果たしており、この組織のおかげで力が加わると歯が数十ミクロン程度動き、衝撃を吸収してくれます。

インプラントは直接骨にくっついているので、天然の歯のような柔軟さがありません

歯周病の検査では特殊な器具を歯の周りに入れて病状をチェックしますが、インプラントの検査をするときは、正確に器具を入れていかないと正しい病状がわからないのです。

無理に入れてしまえば、逆に組織を傷つけてしまうリスクがありますし、かといって慎重になりすぎれば出血や膿を見逃してしまいます。だからインプラントの検査は難しいのです。

プロフェッショナルケアとクリーニングが難しいのも、同様の理由です。

しかし歯石を削り取ることも重要なので、インプラントのメンテナンス専用の器具を使用したり、パウダーやガーゼ、スーパーフロスという通常のフロスでは除去できない部分に使用するフロスを使ったりと、専門的にケアする必要があります。

ご自宅での歯磨きも、天然の歯より丁寧かつ慎重に行わなければならないため、歯磨き指導もより時間をかけ、言葉を尽くして進めていきます。

インプラントの定期検診と天然の歯の定期検診にはこうした違いがあるため、専門の技術と知識のある歯科医院で定期検診を受ける必要があるのです。

まとめ

  • インプラント治療はしたものの、定期検診には行ったことがない。
  • インプラントが入っているかという理由で、定期検診を断られた。
  • インプラントを入れた病院が閉院してしまった。

こうした状況になった際にそのままインプラントを放置していれば、インプラント周囲膜炎やインプラント周囲炎になるリスクがどんどん高まってしまいます

同じような悩みを抱えて、来院される患者様もたくさんいらっしゃいます。当院にはインプラントのメンテナンスに長けた歯科衛生士が多数在籍しています。お困りの方は、一度ご相談いただければきっとお役に立てるはずです。

ぜひお気軽に、お電話でお問い合わせくださいませ。

院長 奥田

インプラントの定期検診は自費診療となりますので、1本あたり500円程度からとなっていますが、天然の歯の定期検診に関しては、保険適用の範囲内で対応させていただきますので、ご安心ください。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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