デンタルコラム

歯医者で定期検診を受けるメリットと、おくだ歯科医院の定期検診の内容について

こんにちは、おくだ歯科医院院長の奥田裕太です。

皆さんは歯科医院の定期検診を受けていますか?

以前のブログ(4月の診療報酬改定で「予防歯科」の保険適用が大きく前進します!)で書いたように、2年ほど前から予防歯科の観点から必要な治療が保険適用の対象になりました。

しかし、まだまだ日本国内は歯科医院での定期検診の必要性が浸透しているとは言えない状況で、歯医者は歯が痛くなってから行くところと考えている人も少なくありません。

そこで今回は、まず歯科医院の定期検診に行くメリットを紹介します。

また、実は「定期検診」と一口に言っても、その内容は歯科医院によって大きく違いがあります。そのため今日のブログでは、おくだ歯科医院の定期検診の内容についても併せてご紹介できればと思います。

目次
  1. 歯科医院の定期検診を受けるメリットとは?
    1. 自分の歯で好きなものを食べられる
    2. 様々な病気を事前に防ぐことができる
    3. 生涯の医療費が安くなる
  2. おくだ歯科医院の定期検診について
    1. 問診
    2. 検査
    3. プロフェッショナルケア、クリーニング
    4. 調節
    5. アドバイス
  3. まとめ

歯科医院の定期検診を受けるメリットとは?

歯科医院で定期検診を受けるメリットはたくさんありますが、今回はその中でもわかりやすい3つについて紹介します。それは、

  • 自分の歯で好きなものを食べられる
  • 様々な病気を事前に防ぐことができる
  • 生涯の医療費が安くなる

です。

自分の歯で好きなものを食べられる

一つ目に紹介するメリットは、自分の歯で好きなものを食べられることです。

80歳の日本人のうち、定期検診を受けている人の平均残存歯数が約15本、受けていない人は約7本と言われています。

定期検診と残存歯数には相関関係があり、予防歯科先進国のスウェーデンでは約90%の人が定期検診を受けていますが、80歳時点の平均残存歯数は20本にもなります。アメリカでは約80%の人が定期検診を受けており、平均残存歯数は18本となっています。

対して日本人のうち、歯科医院で定期検診を受けている人はたったの5%なのです。

そのため先進国の中で見れば、残存歯数が約15本というだけでも少ないわけです。それが7本しか残っていないとなれば、上顎・下顎のどちらかはおそらく総入れ歯となっているはずです。

「別に入れ歯にして食べ物が食べられるなら、それでいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、入れ歯を使う生活というのは想像以上に大変です。

部分入れ歯の場合、バネで残っている歯を挟んで固定するものを使うことも多いのですが、見た目を気にして人前で口を開けて笑えないという人はたくさんいます。またバネで挟んでいる方の歯に負担がかかり、痛くて思うように食事を噛めないというケースもあります。

他にも入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まって痛いだとか、食べ物の味がわかりにくいといった人もいれば、話しにくさを感じる人、口内炎ができやすくなる人、入れ歯をつける場所によって吐き気を感じてしまう人もいます。

したがって、定期検診を受けておくことで自分の歯で好きなものを食べ続けられるというのは、老後を幸せに過ごすうえで非常に大きなメリットなのです。

様々な病気を事前に防ぐことができる

歯科医院で定期検診を受けることで、歯周病の重症化リスクを5分の1にできるという研究があります。

歯周病は生活習慣病なので、本来は数ヶ月に1回の定期検診だけでは予防・コントロールできません。日々の生活の中できちんと歯磨きをしたり、食事習慣に気を遣ったりする必要があります。

定期検診を受けて問題が見つかれば、歯科医師や歯科衛生士からそういった生活習慣についてアドバイスが行われます。

会社の健康診断前になると多くの人が健康を意識し始めるもの。歯科医院での定期検診にも同じ効果があって、「検診でこう言われたから注意しよう」「次の検診で注意されたくないから、もう少し口の健康に気を遣おう」と思うのです。

歯周病は歯を失う原因第1位ですから、これを予防・コントロールできるというだけでも大きなメリットですが、歯周病の重症化リスクを抑えられれば、他の生活習慣病の防止にもつながります。

というのも、歯周病が原因で歯を失うと、ドミノ式に生活習慣病のリスクが高くなることがわかっているからです(メタボリックドミノ)。

歯を失うと、食べ物が噛みにくくなるのでご飯やうどんなど、柔らかい炭水化物を食べる量が多くなります。すると糖尿病のリスクが高まります。

また、食べ物の味は噛むことで濃くなるので、歯を失って噛めなくなると味がわかりにくくなります。結果味の濃い料理を好んで食べるようになり、高血圧症のリスクが高まります。

高血圧になれば、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病による壊死のリスクも高くなります。

加えて、歯周病菌が出すジンジパインという毒素が血管を通じて全身に広がると、心筋梗塞、糖尿病、パーキンソン病の原因になりうることも明らかになっています。

当院の定期検診では、血圧を計測したり、歯のない人や重度の歯周病にかかっている患者様には内科の受診をおすすめしたりしていますが、それは歯周病がこうした生活習慣病と密接に関わっているからです。

歯科医院の定期検診に行くだけで、これだけの病気のリスクを下げられるんだと考えれば、とてもコストパフォーマンスの高い予防法と言えるのではないでしょうか。

生涯の医療費が安くなる

数ヶ月に1回、痛みもないのに歯科医院で定期検診を受けるなんて、お金がもったいない。

そう考える人もいるかもしれません。しかしそれははっきりと「間違いです」と言わせてください。なぜなら定期検診を受けている人ほど、歯科での治療費は安くなるからです。

というのも、定期検診で歯科医院に行っている人が80歳になるまでに歯科で支払った治療費は平均150万円です。

これに対して、定期検診を受けず、痛みを感じてから歯科医院に行く、もしくは痛みを感じても歯科医院に行かない人が80歳になるまでに歯科で支払った治療費は平均450万円にも上ります。

失った歯の代わりにインプラントなど自費診療を選択すれば、治療費はもっと増えるはずです。

また、トヨタ関連部品健康保険組合の調査によれば、歯科で定期検診を受けていた65歳の人が年間で支払っていた医療費が20万円以下なのに対して、定期検診を受けていない人の年間医療費は35万円以上と、医科を含む医療費に年間15万円以上の開きがあったとされています。

歯周病をきっかけに、糖尿病や高血圧症などにかかっていれば、医療費は雪だるま式に増えていきます。

そう考えれば、数ヶ月に1回、数千円を支払って定期検診を受けておいた方が、明らかにお金を節約できることがおわかりいただけると思います。

おくだ歯科医院の定期検診について

冒頭でも書いた通り、「定期検診」と一口に言っても、その内容は歯科医院によって大きく異なります。また当院では患者様の状態に合わせたオーダーメイドの検診を行なっているため、患者様によっても内容が違います。

そこで以下では、ごく一般的な患者様のケースを紹介したいと思います。あくまで一例として参考にしていただければと思います。

当院の定期検診は色々な角度からお口の健康にアプローチしますが、大きく次の5つに分けることができます。

  • 問診
  • 検査
  • プロフェッショナルケア、クリーニング
  • 調節
  • アドバイス

一つずつ、簡単に説明していきましょう。

問診

定期検診で初めに行うのが問診です。

前回の定期検診以降、歯が痛むことはなかったか、お口の状態に変化はないか、お口以外の場所に不調はないか、またはご両親の介護やお孫さんの誕生など、家庭環境の変化などを含め、細かい情報を聞き出しながら変化に対応していきます。

検査

次に行うのが検査です。年に一度行う歯周病の重症度検査のほか、レントゲン撮影やお口の中の写真撮影などをタイミングを見て行います。

プロフェッショナルケア、クリーニング

検査後は歯科衛生士によるプロフェッショナルケアやクリーニングの時間です。

プロフェッショナルケアとは患者様自身で行う歯磨きでは磨ききれない場所を、歯科衛生士の手できれいに磨き上げ、プラークなどの病原性の高いものを除去する作業のこと。

クリーニングは歯ブラシでは除去できない歯石(プラークが石灰化したもの)を除去する作業のことです。特殊な器具を使って歯をツルツルに磨き上げ、必要に応じてフッ素などで歯質の強化を行います。

調節

ナイトガードを使用している患者様の場合は、定期的に噛み合わせの調節が必要です。なぜならナイトガードは使用するにつれて削れていくため、一度しっかりと噛み合わせを調節していても、徐々に合わなくなっていくからです。

また人間の噛み合わせはほんの少しずつ変わっていくので、それに合わせてナイトガードを調節していかなければ、顎関節症や歯周病の原因になってしまうのです。

アドバイス

全てが終わったあとは、次の定期検診までに気を付けてほしいことなどについて、アドバイスを行います。磨けていないところへの歯ブラシの当て方、「もう少し糖分を控えて」といった食事指導など、内容は様々です。

問診からアドバイスまで、定期検診で行うことは全て非常に重要ではありますが、私たちはこのアドバイスこそが最も重要だと考えています。

なぜならどれだけ完璧にプロフェッショナルケアやクリーニングを行ったとしても、患者様自身が日々の生活のなかで歯ブラシを疎かにしたり、虫歯菌・歯周病菌が増えやすくなるような食習慣を続けていたりすれば、お口の健康はあっという間に損なわれてしまうからです。

私たちとしてはこのアドバイスで少しでも生活習慣を変えてもらうことが非常に重要であり、その積み重ねが患者様の未来の健康につながっていくと考えています。そのため、伝える内容だけでなく、伝え方についても日々試行錯誤を繰り返しています。

院長 奥田

私たちもプロフェッショナルとして真剣にアドバイスをしますので、患者様もご自分のお口の健康と可能な限り真剣に向き合っていただければ幸いです。

まとめ

歯科医院での定期検診は、健康面でも経済面でも受けるメリットが大きく、保険が適用されるようになった2年ほど前からは、そのメリットはさらに増したと言えるでしょう。

当院では患者様にそのメリットを最大限受け取ってもらえるよう、しっかりと時間をかけて様々な角度から検診を行うようにしています。

皆さんもできるだけ早く、安心して自分の健康を任せられる歯科医院=デンタルパートナーを見つけ、健康で美味しく食事ができる老後を過ごしてください。

院長 奥田

一人ではなかなか健康を維持するのは難しいものです。ぜひとも私たちプロフェッショナルの力を上手にご活用いただければと幸いです。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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