デンタルコラム

「糖尿病と歯周病」歯科医師だからこそできる3つのアプローチ(後編)

血糖値グラフ

すでに糖尿病にかかっている、もしくは健康診断で危険信号が出ている人には、ぜひとも一度、歯医者を受診することをおすすめします。

なぜなら、歯科医師だからこそできる糖尿病へのアプローチがあるからです。

「糖尿病と歯周病」歯科医師が教える2つの病気の深すぎる関係とその原因(前編)では、糖尿病と歯周病の関係について説明しました。

今回は歯医者が歯周病の治療を通じて、糖尿病にどのようなアプローチができるのかを紹介します。

血糖値に悩む方やそのご家族に、ぜひご一読いただければと思います。

目次
  1. 歯周病治療を通じた糖尿病の「症状改善」
  2. 噛み合わせや入れ歯の治療を通じた「食事改善」
  3. 血液検査を通じたアドバイス
  4. まとめ

歯周病治療を通じた糖尿病の「症状改善」

血糖値についての文章

前回の特集記事でお伝えしたように、歯周病と糖尿病は深い関係にあります。

歯周病は「糖尿病の第六の合併症」と言われており、糖尿病は歯周病菌が生み出す強力な毒素によって悪化したり、治りが遅くなったりします。

そのため、歯周病を治療することで糖尿病の症状を改善することが可能なのです。

実際、日本糖尿病学会が発行する『日本糖尿病治療ガイド』の2016年度版には「生活習慣が原因でかかる糖尿病(2型糖尿病)では、歯周治療によって血糖値が改善される可能性がある」とはっきり書かれています。

おくだ歯科医院は長年歯周病治療に専門的に取り組んできました。

そのため歯周病治療の基本中の基本である歯石の除去や(詳しくはプロがおこなう歯石除去)、検査やメンテナンスの仕組みも確立しています(詳しくは歯周病を本気で治したいあなたへ)。

したがって、当院であればしっかりと歯周病を治療しながら、それを通じて糖尿病の症状改善の力になれるのではないかと考えています。

日本糖尿病協会登録歯科医証

また私、奥田裕太は2020年5月1日付で、「公益社団法人日本糖尿病協会登録歯科医」の認定を受けています。

日本糖尿病協会は60年近い歴史を持ち、全国の患者様と医療スタッフで作られた約1,600の糖尿病「友の会」と、47の都道府県糖尿病協会を組織している団体です。

今後は同協会と連携することで、歯周病だけでなく、糖尿病にもより効果的なアプローチができるようになるのではと期待しています。

院長 奥田

私が担当した患者様の中にも、歯周病の治療の結果、血糖値が安定した方がいらっしゃいます。糖尿病の患者様10人中10人に効果があったわけではありませんが、何かしらのお力にはなれるのではと思います。

噛み合わせや入れ歯の治療を通じた「食事改善」

糖尿病の治療の基本は食事療法です。この食事療法では、主に以下のような毎日のちょっとした心がけが大切になります。

  • ゆっくり食べる。
  • よく噛んで食べる。
  • バランスよく食べる。
  • 朝昼夕食を、規則正しく食べる。
  • 食事は腹八分目まで。
  • 夜遅くや、寝る前には食べない。 など

しかし、歯周病を併発している患者様の場合、「よく噛んで食べる」「バランスよく食べる」が難しいケースが少なくありません。

なぜなら、歯茎で炎症が起きているので、よく噛むと痛みを感じたり、根菜などの繊維質の多い食べ物を食べられなかったりするからです。

こうなると、病院からの食事指導を受けても、その通りの食事をするのは難しくなってしまいます。その結果として、以下のような状況になってしまうのです。

  • 飲み込むように食べるので味が感じられず、濃い味のものばかり食べるようになる。
  • 白米やうどんなど食べやすい炭水化物ばかりを食べてしまう。

この問題を解決するのが、歯医者による治療です。

なぜなら、痛みのある歯を抜いたり、原因である歯周病を治療したり、インプラントを埋め込んだり、といった歯科治療を行えば、病院から指導された食事も難なく食べられるようになるからです。

事実、歯科医師仲間から、糖尿病の患者様に対して噛み合わせや入れ歯の治療を行なったところ、担当の内科医に「患者様は言うことを聞かなかったのではなく、歯が痛くて聞けなかっただけなんですね。助かりました」と感謝されたことがある、という話を聞いたこともあります。

院長 奥田

食事指導を受けている方で心当たりのある人は、諦めずに一度歯医者に相談してみてくださいね。

血液検査を通じたアドバイス

血液検査

「うちのお父さん、糖尿病かもしれないのに『俺は違う!』と言い張って、病院に行こうともしないんです……」

そんな悩みを抱えている方は、ご家族に歯医者の受診を勧めてみてもいいかもしれません。

なぜなら、糖尿病の傾向があれば、血液検査を通じて歯医者から病院(内分泌内科など)の受診を勧めることができるからです。

「どうして歯医者で血液検査?」と思うかもしれません。お口の中は細菌が非常に多い場所なので、治療の際は前もって全身の情報を知っておく必要があります。

加えて、糖尿病の患者様は血が止まりにくかったり、術後の傷が治りにくかったりと、いろいろなリスクがあります。したがって、安全安心の治療をするためには血液検査が必要なケースがあるのです。

頑固な人でも、直接医者から「糖尿病の可能性があるから、ちゃんと病院で診てもらった方がいい」と言われれば、多くの人が「プロに言われたのなら」と納得するもの。

「糖尿病じゃない!病院には行かない!」と意固地になっているのなら、「好きなものを一生自由に食べたいなら」「最近口が臭うから」などと言って、一度歯医者の受診を勧めてみるのも一つの手です。

院長 奥田

お体を大切にしてもらうためにも、歯医者をうまく活用してみてください。

まとめ

歯周病の治療は、高い確率で糖尿病の症状改善につながります。しかし残念ながら、すべての歯医者が歯周病についての専門的知識や経験を持っているわけではありません

一方で、おくだ歯科医院は奥田裕司前院長の頃から歯周病治療に専門的に取り組み、多くの実績を積み重ねてきました。

そのため、患者様ごとの症状に応じた適切な治療を行うノウハウが確立されています。

すでに糖尿病にかかっている、もしくは健康診断で危険信号が出ている人、血糖値のコントロールがうまくいかずに悩んでいる方は、ぜひ一度おくだ歯科医院にご相談ください。きっとお力になれるはずです。

院長 奥田

ぜひお気軽に、お電話でお問い合わせください。専門のスタッフが対応させていただきます。

診療内容

当院について

デンタルコラム

院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

詳しく見る