デンタルコラム

自己流の磨き方、実はムダだらけ?歯科衛生士によるTBIで“正しい磨き方”を知ろう

模型で歯磨き指導をする歯科衛生士

みなさん、こんにちは。大阪十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。

「自分は毎朝毎晩、しっかり歯を磨いている
「歯ブラシ、フロス選びにはこだわっているから、歯医者に行かなくても大丈夫

1年以上歯医者に行っていない方の中には、こんなふうに考えておられる方も多いかもしれません。

しかしプロの目からすると、いわゆる「自己流の磨き方」には磨き残しが多いのが実情です。そのため当院をはじめ、歯科医院ではTBI(歯磨き指導:Tooth Brushing Instruction)に力を入れています。

確かに歯磨きはとても大事で、毎日の習慣にしているだけでも効果はあります。しかし正しい歯ブラシ・フロスの使い方を覚えれば、より効果がアップします

今回は実際に患者様にご協力いただき、当院のTBIとその効果について写真を交えながら紹介します。

※以下ではお口の中のお写真を掲載しています。苦手な方やお食事中の方はご注意ください。

目次
  1. 「ちゃんと磨いてるつもり」――歯垢染色剤を使って自分の歯をチェック!
  2. 当院のTBIについて
  3. 「自分に合った歯磨き」を知れば、お口が変わる
  4. 【患者さまの声】TBIを受けて実感した3つのこと
  5. TBIはこんな人におすすめです
    1. 「歯磨きには自信があるから、長年歯医者には頼ってない」という人
    2. お子様のお口の健康を守っていきたいとお考えの親御さん
  6. まとめ

「ちゃんと磨いてるつもり」――歯垢染色剤を使って自分の歯をチェック!

今回ご協力いただいたのは、36歳のSさんです。事前にヒアリングを行ったところ、Sさんはかなり歯磨きにこだわっているとのことでした。

  • 電動歯ブラシを使って、毎朝毎晩磨いている。
  • 寝る前にはフロスを使って歯間の汚れを落としている。
  • 以前通っていた歯科医院では、「きれいに磨けている」と褒められていた。

こちらが実際にTBIを行う前のSさんのお口の中の状態。確かに、一見するときれいなお口の中です。

そこでTBIの前に、お口の中にどれだけ汚れが残っているかがわかるように、歯垢染色剤を使って歯垢の染め出しを行いました。

その結果がこちら。来院前の朝にも歯磨きをしてきたとのことでしたが、意外と歯垢が残っています。

Sさんも「思っていたより汚れいるんですね」と少しショックを受けておられました。

当院のTBIについて

私たちの医院では、次のような手順でTBIを行っていきます。

  1. 歯茎・歯などお口の中の状態を歯科衛生士の目でチェックする
  2. 現在の磨き方についてのヒアリングを行う
  3. 必要に応じて歯垢の染め出しを行う
  4. まずはいつもの磨き方で磨いていただく
  5. 患者様の磨き方に合わせて、模型などを使って磨き方の指導をする
  6. 必要に応じて、患者様の持つ歯ブラシに手を添えて、磨き方の指導をする
  7. 場合によっては、適切な歯ブラシ・フロスのご提案をする
模型で歯磨き指導をする歯科衛生士
模型などを使って磨き方の指導を行います。
手を添えて歯磨き指導する歯科衛生士
患者様の持つ歯ブラシに手を添えて、磨き方の指導をすることも。
指導をもとに歯を磨く患者様
最後にご自分で磨いていただくことで、「正しい磨き方」が身につきます。

磨く時の角度や力の入れ方、時間配分などについてもアドバイスをしながら、最後はもう一度ご自分で磨いていただきます。

こうすることで「正しい磨き方」が身につき、より効果の高いセルフケアができるようになるのです。

院長 奥田

なお、当院でおすすめしている手動の歯ブラシに関しては、歯科衛生士が実際に使ってみた!人気の市販歯ブラシ徹底レビューで他の製品と比較しながら紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

「自分に合った歯磨き」を知れば、お口が変わる

TBI後の再染色 (1)

こちらがTBIを受けた後のお口の中の染め出し写真です。TBI前と比較したのが、以下の画像です。

TBI前後

TBIを受けなければきれいにできるはずの汚れがそのまま放置されていたわけですから、歯周病や虫歯のリスクは自然と高まっていたでしょう。

「歯磨き指導なんて今さら必要ない
「この歳になって、歯磨きを教えてもらうなんて恥ずかしい

そんなふうに感じておられる方は多いかもしれませんが、一度TBIを受けるだけでこれだけの違いが出るのなら、受診する価値はあると思っていただけるのではないでしょうか。

またSさんはもともと歯磨きにこだわりのある方でしたが、「普段はあまり難しく考えずに磨いている」という方の場合は、もっと大きな違いが現れる可能性も十分あります。

【患者さまの声】TBIを受けて実感した3つのこと

患者様が実際に使っておられる道具
Sさんが普段使っている電動歯ブラシとフロス、歯磨き粉。いずれも「選び方」は◎。でも「使い方」もとても大切です。

TBI後にSさんに感想を伺ってみると、まず「あんなに汚れが残っていたなんて」と染め出しの時におっしゃっていたことを繰り返されていました。

続いてお話しいただいたのが「今日の夜から、歯磨きが変わりそう」ということでした。

具体的に伺うと「染め出しをしてもらったおかげで、汚れが残りやすい場所がわかったので、そこを教えてもらった方法で磨くことができる」とのこと。

まさにその通りで「どこが汚れやすいのか・磨き残しやすいのか」がわかるだけで、歯磨きに対する意識が変わり、結果的にお口の状態が改善する患者様は少なくありません。

「あと、思っていた以上に歯ブラシに手を添えて指導してもらえたのがわかりやすかった」という感想もいただきました。

どの角度で、どんなふうに歯ブラシを当てると効果的に磨けるのか、は意外と知らないもの。歯並びやお口の中の状態は人それぞれ違うため、磨く時のコツも人それぞれです。

それをプロの目線から客観的にお伝えすることで、「自分のお口に合った磨き方」が身につくのです。

TBIはこんな人におすすめです

「歯磨きには自信があるから、長年歯医者には頼ってない」という人

歯磨きをする男性

今回ご協力いただいたSさんのように、普段から歯磨きに気を遣っている方ほど、実はTBIの効果を実感していただけます。

「電動歯ブラシを使っているから大丈夫」「フロスも毎日使っているから完璧」と思っていても、染め出しをしてみると意外な磨き残しが発見されることがほとんどです。

特に長年歯科医院から足が遠のいている方の場合、知らず知らずのうちに自己流の癖がついてしまっていることが多く、その結果、同じ部位ばかりに汚れが蓄積しやすくなります。

歯周病や虫歯は初期段階では自覚症状がないため、「問題ないと思っていたのに、実は進行していた」というケースも珍しくありません。

TBIを受けることで、今まで気づかなかった磨き残し部位を知ることができ、より効率的で効果的な歯磨き方法を身につけることができます。

今後何十年も続く毎日の歯磨きが、より意味のあるものに変わるはずです。

お子様のお口の健康を守っていきたいとお考えの親御さん

歯磨きをする子供

お子様の歯磨き習慣は、将来のお口の健康を左右する重要な基盤となります。

乳歯から永久歯への生え変わり時期は特に歯並びが複雑になりやすく、大人でも磨きにくい状況が続きます。

親御さんが「ちゃんと磨けているかな?」と不安に感じていらっしゃる場合や、お子様が「自分で磨きたい」と言い始めた時期には、プロの目でチェックしてもらうことが大切です。

お子様一人ひとりの成長段階や歯並びに合わせた磨き方を覚えることで、効果的な仕上げ磨きができるようになります。

また、お子様自身にも染め出しを体験してもらうことで、「どこが汚れやすいのか」を視覚的に理解でき、歯磨きに対する意識が高まります。

楽しみながら正しい歯磨き方法を覚えていただけるよう、当院では年齢に応じた分かりやすい指導を心がけています。

お子様の健康な歯を守るための投資として、ぜひTBIをご活用ください。

まとめ

虫歯や歯周病が見られる方の場合、TBIには国民健康保険の適用対象になります。

「ちゃんと歯磨きができているのか確かめたい」
「プロの目線で自分に合った歯ブラシやフロスを選んで欲しい」

という方は、ぜひ一度、大阪十三のおくだ歯科医院までお問い合わせください。

TBIを含め、皆様のお口の状態に合わせた検査など、オーダーメイドの歯科医療を提案させていただきます。

院長 奥田

当院は完全予約制となっております。TBIに興味をお持ちの方は、お気軽にお電話からご予約ください。

診療内容

当院について

デンタルコラム

院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

詳しく見る