デンタルコラム

歯科衛生士が実際に使ってみた!人気のデンタルフロス5種徹底レビュー

フロスの比較

いろんなメーカーからいろんな商品が出ているデンタルフロス。「どれを選んでいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、大阪・十三のおくだ歯科医院で、歯周病専門の歯科衛生士として患者様のお口の健康と長年向き合ってきた人間の視点から、人気のデンタルフロス5種を徹底レビューしたいと思います。

皆さんのデンタルフロス選びのお役に立てれば幸いです。

目次
  1. デンタルフロスの役割と、選び方のポイント
    1. デンタルフロスの役割
    2. 選び方のポイント
  2. デンタルフロス5種の評価まとめ
  3. フロアフロス
    1. 商品紹介
    2. 歯科衛生士レビュー
  4. ルシェロフロスアンワックス
    1. 商品紹介
    2. 歯科衛生士レビュー
  5. ガムデンタルフロス(WAX)
    1. 商品紹介
    2. 歯科衛生士レビュー
  6. オーラルBプレミアムフロス
    1. 商品紹介
    2. 歯科衛生士レビュー
  7. Proteeth ワックスフロス
    1. 商品紹介
    2. 歯科衛生士レビュー
  8. 当院のおすすめは「フロアフロス」
  9. まとめ

デンタルフロスの役割と、選び方のポイント

デンタルフロスの役割

歯ブラシだけでは歯間部まではきれいに磨くことはできません。そのため、歯ブラシだけで「自分はきちんと磨けている」と思い込んでいると、知らぬ間に歯周病虫歯になっていた、なんてことも。

そこで必要になるのが、歯間ブラシ、デンタルフロス、糸ようじといった歯間清掃用具です。それぞれの使い分けポイントは以下の通り。

歯間ブラシ・歯と歯の間の歯ぐきが歯周病などで下がってしまっている時。
・ブリッジなど、連結式の被せ物が装着されている時。
デンタルフロス歯周病・虫歯予防に最適。歯周病が重症化していない方、歯が重なって生えている方におすすめ。
糸ようじ・デンタルフロスに不慣れな方、どうしても使いこなせないという方におすすめ。
・習慣化したら、デンタルフロスもトライしてみて。
・それでも「やっぱりフロスは難しい」と感じたら、糸ようじだけでも継続を。何もしないよりは、歯周病・虫歯の予防効果が期待できます。

選び方のポイント

当院では診察時、患者様のお口の状態やきちんと歯磨きができているかなどを踏まえて、歯ブラシや歯間清掃用具をおすすめしています。デンタルフロスを提案する際に意識しているのは次の3点です。

患者様に合ったものを選ぶ

デンタルフロスはただの糸ではなく、商品によって素材や形状が異なります。患者様によっては「糸が細くて痛い」「指先で滑って使いにくい」などもあるため、お口の状態や好みから、ぴったりのものを選ぶことが大切です。

プラーク(歯垢)の除去効果が高いもの

毎日の歯磨きで、いかに磨き残しを少なくするか。これが虫歯・歯周病予防効果を左右します。そのため、デンタルフロスもできる限りプラーク(歯垢)の除去効果が高いものを選ぶことが重要です。

操作性の良さ

前述した通り、デンタルフロスは商品によって素材や形状が異なります。そのため操作性(扱いやすいかどうか)にも個性があります。

操作性が悪いと、ついつい使うのが面倒に感じてしまうもの。デンタルフロスは継続してこそ効果があるものですから、自分にとってストレスのないものを選ぶようにしましょう。

デンタルフロス5種の評価まとめ

フロスの比較

今回、レビューを行うのは、SNSやオンラインショップで人気の商品5種です。

  • フロアフロス
  • ルシェロフロスアンワックス
  • ガムデンタルフロス(WAX)
  • オーラルBプレミアムフロス
  • Proteeth ワックスフロス

これらのデンタルフロスを5つの視点から評価し、表にまとめてみました。

フロス汚れの取りやすさ使いやすさ(初心者向けかどうか)丈夫さ(歯間の狭い人向けかどうか)入手しやすさコスト
フロアフロス
ルシェロフロスアンワックス
オーラルBプレミアムフロス
ガムデンタルフロス(WAX)
Proteeth ワックスフロス

以下では、一つひとつの商品について、歯科衛生士の私が使ってみた際に感じたことをご紹介します。

フロアフロス

フロアフロス①

商品紹介

うねる加工を施した384本もの糸がより合わさってできている、ワックスタイプの「歯ぐきケア専用フロス」。

2004年に行われたジェノヴァ大学の研究では、「他のフロスに比べて汚れが取れる」という結果も出ている優れものです。

歯科衛生士レビュー

フロアフロス②

実際、プロの視点で見ても、今まで使用したデンタルフロスの中で圧倒的にプラーク除去効果が高い商品で、かつワックスが少なめで指先が滑りにくいので、操作性も◎です。

おくだ歯科医院でも、デンタルフロスはこちらの商品をおすすめしており、患者様からも「もう他のフロスは使えない」「ちょっと高いけれど、効果があるから逆に安く感じる」とファンになってくださる方が続出しています。

強いてデメリットを挙げるとすれば、45mタイプの携帯ケースの糸の取りにくさ、250mタイプの蓋のロックの甘さでしょうか。

非常に優秀なデンタルフロスですが、これらの点が改善されれば、ほとんど完璧な商品になると考えています。

歯科専売の商品ですが、公式通販サイトやオンラインショップなどでも購入することができます。

ルシェロフロスアンワックス

ルシェロフロス①

商品紹介

マイクロファイバー(髪の毛の約1/100の細さ)をクサビ状に加工し、その糸を約1400本より合わせたアンワックスタイプのフロス。とてもやわらかく、しなやかな使い心地が特徴です。

歯科衛生士レビュー

ルシェロフロス②

アンワックスタイプはその名の通り、歯間に入れる際の滑りをよくするワックス(蜜蝋)を塗りこんでいないので、どうしても操作しにくい傾向があります。

しかしこの商品は他のアンワックスタイプに比べて操作しやすいうえ、繊維の細さや本数、形状が特殊なのでプラーク除去効果も高いように感じました。

ワックスを使っていないデンタルフロスをお探しの方で、かつコストパフォーマンスを重視する方にはおすすめの商品です。

ただし、アンワックスタイプ特有のギシギシ音が不快に感じる方や、細めの糸が歯茎に食い込んで痛みを感じる方はいるかもしれないので、あらかじめ注意が必要です。

フロアフロスと同じく歯科専売の商品ですが、オンラインショップなどでも購入することができます。

ガムデンタルフロス(WAX)

ガムデンタルフロス①

商品紹介

適度な太さとワックスコーティングで使いやすい定番フロス

歯科衛生士レビュー

ガムデンタルフロス②

使用感としては、フロアフロスの糸を細くしたようなイメージ。糸が細いぶん、プラーク除去効果は一段落ちますが、そのぶん狭い歯間にも入れやすいので、こちらの方が使いやすいという方もいるでしょう。

また、ケースがクリア仕様で残量がひと目でわかるというのも魅力の一つです。

オンラインショップはもちろん、ドラッグストアやコンビニでも売っている入手しやすさが最大の魅力

普段使いはもちろん、旅行先にいつものデンタルフロスを持っていくのを忘れた時や、自宅のものを切らしてしまった時は、こちらの商品を買っておけば安心です。

オーラルBプレミアムフロス

オーラルBプレミアムフロス①

商品紹介

テープフロスの一つで、従来品に比べて歯間に入りやすく、狭い歯間でもストレスなく出し入れ可能。ほつれ防止加工も施されているので、操作性は抜群。クールミントフレーバ―の清涼感のある使い心地も魅力です。

歯科衛生士レビュー

オーラルBプレミアムフロス②

なんと言っても「操作性」と「味」が魅力のデンタルフロスです。

滑りが良く、狭い歯間にも難なくスルッと入ってくれるうえ。ケースの形状が最高で、糸が取りやすいように工夫されています。

またオーラルBシリーズの中でも幅広タイプで、歯ぐきの奥に入りすぎないので、痛みなどを感じにくいのも特徴。

味はよくあるミントフレーバーかと思いきや、甘みもしっかりあって、ちゃんと美味しい味です。

プラーク除去効果は少し低めかなという印象はあるものの、これまでフロスが継続できなかった方や、初めてフロスを使うという方におすすめの商品です。

ケースに関しては見た目がスマートで、残量が見えるクリア仕様なのもプラスポイントですね。

Proteeth ワックスフロス

Proteeth ワックスフロス①

商品紹介

滑らかなワックス加工と細めの糸で歯間に入れやすい初心者向きの商品で、某オンラインショップでは1,000以上のレビューを集める人気フロス。圧倒的な低コストと、ミント風味の爽やかな使い心地が魅力です。

歯科衛生士レビュー

Proteeth ワックスフロス②

細くて丈夫な糸を使っているので、狭い歯間にも入れやすい商品です。ただし、糸の性質上、プラーク除去効果はあまり高くないかな、という印象。

他のデンタルフロスではどうしても歯間に入っていかない、という方は一度試しても良いかもしれません。

ただし、ケースに関してはかなり優秀です。全面クリアケースなので残量を確認しやすいうえ、糸も取り出しやすい仕様になっています。

当院のおすすめは「フロアフロス」

フロスのとの太さを比較
糸の太さだけを見ても、商品によって様々です。

歯ブラシと同じように、デンタルフロスにも人それぞれの好みがあります。

けれども、歯科衛生士の立場から言うなら、やっぱり「汚れの取りやすさ」が一番重要。

だからおくだ歯科医院ではきちんとエビデンスもとれているフロアフロスを積極的におすすめしています。

先ほども述べたように、フロアフロスは「歯科専売」を謳っているので、ドラッグストアなどではあまり見かけないかもしれませんが、各種オンラインショップなどでは手に入ります。

ぜひお試しください。

まとめ

ただし、どれだけ丁寧に歯を磨いて、デンタルフロスを使っていても、セルフメンテナンスだけで歯垢・歯石を完全に取り除くことはできません

2005年に行われた調査によれば、歯間部における磨き残しは、歯ブラシだけを使っている人で約40%、歯ブラシ+デンタルフロスの場合で約20%、歯ブラシ+歯間ブラシのケースでは約15%という結果が出ています。

これらの磨き残しは少しずつ蓄積し、歯周病菌の温床となります。増殖した細菌は歯を溶かし、お口の健康をむしばんでいきます。

これを防ぐためには、経験・技術力のある歯科医師や歯科衛生士の手による、定期的な歯石除去が必要不可欠です。

「お口の中を清潔に保ちたい」
「ずっと健康な歯を維持したい」

という方はぜひ、一度大阪・十三のおくだ歯科医院までご相談ください。

なお「いきなり診察を受けるのはちょっと怖い……」という方には、当院の歯科衛生士が主体となって運営するDcare(ディーケア)がおすすめです。

Dcareでは、

  • 歯石取り(歯のお掃除)
  • ホワイトニング
  • 歯科ドック(検診)
  • 矯正中の歯のお掃除
  • インプラント後のケアとサポート など

をメインに行い、みなさまのお口の健康をサポートいたします。興味のある方は、DcareのInstagramにDMいただくか、おくだ歯科医院の電話窓口から「Dcareに相談がしたい」とお問合せください。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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