デンタルコラム

それ、食いしばり・歯ぎしりのサインかも!【症状チェックとセルフケア】

チェックリスト

皆さん、こんにちは。大阪・十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。

「朝起きた時に顎がだるくて痛い」
「気がつくと歯を食いしばっている」

こんな経験はありませんか?

実は、これらの症状は食いしばりや歯ぎしりのサインかもしれません。

現代社会では多くの方がストレスを抱えており、無意識のうちに食いしばりや歯ぎしりをしてしまうケースが増えています。

特に夜間の歯ぎしりは、普段の咀嚼時の10~15kgを大きく超え、女性でも100kg以上男性では体重の3倍程度の力がかかるという研究結果もあります。

今回は、食いしばり・歯ぎしりの症状を自分でチェックする方法と、すぐに実践できるセルフケア方法をご紹介します。セルフケアで改善が見られない場合は、ぜひ一度歯科医院にご相談ください。

目次
  1. まずは症状をセルフチェック!あなたは大丈夫?
  2. 食いしばり・歯ぎしりが引き起こす影響とは
    1. 歯への影響
    2. 筋肉への影響
  3. 食いしばり・歯ぎしりの原因について
  4. 今すぐ実践!食いしばり・歯ぎしりのセルフケア方法
    1. 日中の食いしばり対策
    2. 生活習慣の改善
    3. セルフケアで改善しない場合は歯科医院へ
  5. まとめ

まずは症状をセルフチェック!あなたは大丈夫?

以下の項目に当てはまるものがあるか、チェックしてみてください。

□ 朝起きた時に顎がだるい・痛い
□ 集中している時に気づくと歯を食いしばっている
□ 頭痛や肩こりがひどい
□ 冷たいものを飲むと歯がしみる
□ 頬の内側に歯の形がついている
□ 頬の内側によく口内炎ができる

これらの症状に一つでも当てはまる方は、食いしばりや歯ぎしりをしている可能性があります。

食いしばり・歯ぎしりが引き起こす影響とは

食いしばりや歯ぎしりを繰り返すと、全身にさまざまな影響が引き起こされます。以下ではそれらの影響を歯・筋肉・顎関節の3つに分けて見てみましょう。

歯への影響

  • 歯が削れて知覚過敏を引き起こす
  • 強い力により歯が割れてしまう
  • 詰め物や被せ物が外れやすくなる

筋肉への影響

  • 咬筋や側頭筋などの「噛むための筋肉」が過度な緊張を起こす
  • 顎のだるさや痛みが生じる
  • 頭痛や肩こりの原因となる

●顎関節への影響

  • 顎関節症を引き起こす可能性がある
  • 口が開けにくくなる
  • 顎の関節から音がするようになる

食いしばり・歯ぎしりの原因について

食いしばりや歯ぎしりの原因には諸説ありますが、私が考える一番の原因はストレスです。

人間にはホメオスタシス(恒常性)というストレスを緩和する素晴らしい機能がありますが、それでも対応できないほどのストレスを感じた場合、アロスタシスというシステムが緊急発動してストレスに対応しようとします。

その結果、何らかのエネルギーを使ってストレスに対応しようとするのです。

例えば、大きな声を出す、泣く、クッションを叩くなど、限界を超えた時の突発的な行動をイメージしてみてください。

私たちの心はそのような行為によって、バランスを取っているのです。

このエネルギーを使ったストレス対応の一環として、食いしばりや歯ぎしりを行っているのではないかというのが私の見解です。

今すぐ実践!食いしばり・歯ぎしりのセルフケア方法

ではどうすれば、食いしばり・歯ぎしりのセルフケアができるのでしょうか。

食いしばりや歯ぎしりをする人は、1日の間に何度も繰り返してしまいます。そのため、セルフケアをする場合も、1日のうちでこまめに行う必要があります。

日中の食いしばり対策

定期的なストレッチを心がける

長時間のデスクワーク(同じ姿勢で指先を使う仕事、PC作業など)では食いしばりを起こしやすいとされています。

定期的に肩を回したり、首を伸ばしたりするのと同時に、食いしばっている時は大きく口を開けてストレッチをしたり、深呼吸をしましょう。

意識的なチェック習慣をつける

パソコンの画面の端やキーボードにポストイットやシールを貼るのもおすすめ。

それが目に入った時に「食いしばっていないか」「肩が上がっていないか」をチェックすることで、食いしばりを予防することができます。

生活習慣の改善

睡眠の質を向上させる

  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 眠る前のストレッチや半身浴でリラックスする
  • 就寝前のスマホやPCの使用を控える

ストレスマネジメント

  • 友人との食事や会話を楽しむ
  • 適量のアルコールでリラックス(飲み過ぎは禁物)
  • 趣味の時間を作る
  • 軽い運動を取り入れる

筋肉の緊張をほぐすセルフマッサージ

●咬筋のマッサージ

頬骨の下あたりにある咬筋を、指でやさしく円を描くようにマッサージしてください。

●側頭筋のマッサージ

こめかみの周辺にある側頭筋を、手のひらで温めるようにマッサージしてください。
どちらも力を入れすぎず、痛気持ちいい程度の強さで行いましょう。

セルフケアで改善しない場合は歯科医院へ

これらのセルフケアを試しても改善が見られない場合は、歯科医院で作成するナイトガード(マウスピース)の使用をおすすめします。

おくだ歯科医院でも食いしばりや歯ぎしりが疑われる患者様には、まずナイトガードを1週間使用していただきます。

傷がついているかどうかをチェックすることで、患者さん自身に食いしばりや歯ぎしりをしていることを自覚していただけるからです。

「口を開けて寝ているから大丈夫」
「いびきをかいているので歯ぎしりはしていない」

そう言われる患者さんでも、ナイトガードに傷ができることがよくあります。

実際、当院では8割以上の患者様にナイトガードを使用していただいており、スタッフも私自身もマウスピースを入れて寝ています。

顎関節症などの症状があり保険が適用されれば、5,000円~6,000円程度で作成することができます。

その他、ボトックス注射という選択肢もありますが、効果が3ヶ月と短く継続が必要で自費診療となるため、セルフチェックの後にまずはお近くの歯科医院にて相談することをおすすめします。

まとめ

食いしばりや歯ぎしりは、現代社会において多くの方が抱える問題です。

「もしかして自分も…」と思った方は、まずは今回ご紹介したセルフチェックを行い、当てはまる症状があればセルフケアを実践してみてください。

ストレスのマネジメントとして歯ぎしりや食いしばりをしているのであれば、無理に止めてしまうとストレスが逃げ場を失い、別の深刻な問題を引き起こしてしまう可能性もあります。

しかしマウスピースを使えば、そうしたリスクを冒さずに歯や顎への負担を軽減することができます。

セルフケアで改善が見られない場合や症状が気になる場合は、歯科医院に相談することをお勧めします。

院長 奥田

もし「症状に当てはまるけれど、どこの歯科医院に相談すればいいかわからない」という方がいらっしゃいましたら、当院にお気軽にご相談ください。患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な治療方法をご提案いたします。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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