みなさんこんにちは。大阪・十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。当院の患者様におかれましては、改装工事に伴う休診で大変ご不便とご迷惑をおかけしております。
さて、当院では8月のリニューアルオープンにあわせて、新しい取り組みを始めます。それが、レントゲンとAI解析でわかる「骨粗鬆症リスク検査」です。
導入するのは、2025年大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンやNHKの「首都圏情報 ネタドリ!」でも紹介された、歯科パノラマX線画像解析AI「PanoSCOPE」。
歯科で撮影したレントゲン画像から、あごの骨の状態をAIが解析し、骨粗鬆症のリスクを評価する支援ツールです。
「歯医者で骨の検査?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かにこれだけで診断ができるわけではありませんが、整形外科クリニックとの連携を通じて、骨粗鬆症の早期発見につなげていきたいと私たちは考えています。
以下では、骨粗鬆症という病気の恐ろしさ、骨粗鬆症の早期発見・リスク評価において私たち「歯医者」が果たすべき役割、そして「PanoSCOPE」を用いた検査の流れについて、順を追ってお話したいと思います。
骨粗鬆症は「気づかないうちに進行する病気」です

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。主に加齢、閉経後の女性ホルモンの低下、生活習慣、栄養や運動の不足などが関係するといわれています。
やっかいなのは、痛みなどの自覚症状が乏しいこと。多くの場合、骨折して初めて「骨がもろくなっていた」と気づきます。
特に年齢を重ねてからの「大腿骨近位部(太ももの付け根)」の骨折は、歩行能力の低下に直結し、そのまま要介護状態や寝たきりにつながるリスクが極めて高く、その後の寿命にも重大な影響を及ぼすことがわかっています。
最大のハードルは「検査の受診にたどり着くこと」

ではどうすれば骨粗鬆症を早期に発見し、大事に至る前に予防や治療を受けられるのでしょうか。答えは簡単。骨密度の検査を受ければ良いのです。
骨密度検査にはいくつか種類がありますが、「DEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)」による検査が日本を含む世界各国で最も精度が高く、信頼できるとされています。
つまり、骨粗鬆症は「検査を受ければわかる病気」なのです。
問題は、痛みがないからと検査を受けないまま過ごしている方がほとんどであること。
実際、公益財団法人 骨粗鬆症財団の調査(2024年)によると、自治体が実施している骨粗鬆症検診の全国平均受診率はわずか5.9%にとどまっています。
なんと、9割以上の方が「検査を受ける」という予防・治療の入り口にすらたどり着いていないのです。
原因として考えられるのは、
- 体の節々の違和感を「年齢のせい」と思い込んで見過ごしてしまう
- 整形外科などで専門の検査機器を用いて測定する必要があり、何かきっかけがないと受診のハードルが高い
など。
医療従事者にとって、骨密度検査を受診するまでのハードルをいかに下げるかは、長年議論され続けているテーマです。
骨粗鬆症の早期発見・リスク評価のカギは“歯医者”だった

そんな中で、今注目されているのが、私たち「歯医者」です。
歯科医院では、歯周病の診断やインプラント治療の計画のために、あごの骨全体が写る「パノラマX線写真」を撮影する機会があります。お口全体(あごの骨や歯の並び)を、ぐるりと1枚に写すレントゲン写真の撮影方法です。
歯科医師は、この写真から虫歯や歯周病の進行度を読み取りますが、同時に見ているのが、「下あごの骨のあご先からエラをつなぐ骨にある、硬い骨の層」です。
健康な骨では、下あごの縁の骨の層が、白く滑らかで、しっかりとした厚みをもって写ります。
一方、骨の密度が下がると、この白い層が内側から削られたように薄くなったり、ボソボソと波打つように粗くなったりします。
全身の骨密度と、あごの骨の状態には、一定の関連があることが報告されています。つまり、あごの骨の変化を手がかりにすることで、まだどこも骨折していない状態でも、初期段階の骨粗鬆症のリスクに気づける可能性があるのです。
事実、複数の研究で、パノラマX線写真によるあごの骨の評価が、骨粗鬆症のスクリーニング(ふるい分け)に役立つ可能性が示されています。
骨粗鬆症の早期発見・リスク評価のカギは、“歯医者”にあったのです。
当院が骨粗鬆症リスク検査を始める理由

おくだ歯科医院が、8月のリニューアルオープンにあわせて「骨粗鬆症リスク検査」を始めるのは、こうした歯科の役割の高まりが背景にありますが、理由はもう一つあります。
それは患者様の人生の伴走者として、自分たちができることを増やしたいと考えたからです。
私たちは、自分たちの仕事を「お口の健康を維持すること」だけとは思っていません。見据えているのは、お口の健康の“先”にある、一人ひとりの患者様の幸せな人生だからです。
だからこそ当院では、歯周病と同じ生活習慣病である、糖尿病や高血圧の予防や医科との連携を通じた治療にも積極的に取り組んできました。
今回、医院の改装を機に骨粗鬆症リスク検査を始めるのもその一環。患者様により長く、より健康に、自分らしい人生を歩んでいただくために、自分たちができることは何かを考えた結果、たどり着いた答えの一つなのです。
歯科パノラマX線画像解析AI「PanoSCOPE」とは?

骨粗鬆症リスク検査のために8月から導入するのが「PanoSCOPE」。歯科で撮影したパノラマX線(レントゲン)画像を解析し、あごの骨の厚み・形・粗さを評価するAIソフトです。
PanoSCOPEが検出した結果だけで骨粗鬆症などの「確定診断」を行うことはできませんが、歯科医師によるあごの骨の脆さの評価を、強力にサポートしてくれます。
いつもの検査から変わること・変わらないこと
「レントゲンの撮影に時間がかかるようになるのでは?」
「追加の通院が必要になるのでは?」
と不安を感じられる方もいるかもしれませんが、基本的にはいつもの検査から変わることはほとんどありません。
虫歯や歯周病の治療・定期健診の際に、いつも通り歯科パノラマX線写真を撮影するだけです。
撮影時間も待ち時間も、追加の通院も不要。国のルール(診療報酬)に定められていないので、追加の費用も発生しません。
変わるのは、
- 事前に画像をAI解析にかけることへの同意をいただくステップが増えること
- 検査後に歯の状態だけでなく、「骨粗鬆症のリスク評価結果」を一緒に受け取れるようになること
だけです。
【十三駅 東口前】高田医院 整形外科・内科と連携

PanoSCOPEの検査で骨粗鬆症のリスクがあるとわかった場合は、専門である整形外科の受診をおすすめします。骨密度の詳しい検査や診断、治療は、整形外科の役割だからです。
かかりつけの整形外科がある方は、そちらを受診いただいて構いませんが、当院では、十三駅東口前から歩いてすぐの「高田医院 整形外科・内科」と提携しています。
「どこの整形外科に行けばいいかわからない」「歯と骨のことは、十三でまとめて相談したい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
高田医院 整形外科・内科について
高田医院は、大阪市淀川区、阪急十三駅東口のアーケード内にあり、雨の日でも傘なしで通院できる整形外科・内科クリニックです。
最高グレードの骨密度測定装置を導入しており、腰椎と大腿骨で、高精度に骨密度を測定することができます。
また、大きな強みは「運動器リハビリテーション施設基準Ⅰ」を取得している点。
高齢のシニア層はもちろん、小学生のジュニア世代、さらにはプロのトップアスリートにいたるまで、幅広い層の患者様を全面的にサポートする体制が整っています。
診療は来院順での受付となっています。初めてのご来院の際は、お時間に余裕をもってご受診ください。
院長は日本整形外科学会の専門医をはじめ多彩な資格を有しており、子供からお年寄りまで誰もが「やりたいことができるように」と、スタッフ一同で温かく寄り添う地域密着型の医院です。
まとめ
骨粗鬆症は、本人が気づかないうちに静かに進行する病気です。
- 背中や腰の痛みが長期間続いている
- 身長が2cm以上縮んだ
- 背中が丸くなってきた
などの症状があればすでに一定以上、病気が進行している可能性があります。
そうなる前に予防・発見するには、きちんとした骨密度測定を受け、薬や運動による治療をする必要があります。
歯科のパノラマレントゲン写真を利用したPanoSCOPEは、骨粗鬆症のリスクに気づき、骨密度測定のきっかけになり得るソフトです。
今回のPanoSCOPE導入が、当院が見据える、患者様一人ひとりの幸せな人生のサポートにつながれば、こんなに嬉しいことはありません。

お口の健康から、全身の健康へ。患者様がいつまでも自分らしく笑顔で過ごせるよう、チーム一同、全力でサポートさせていただきます。8月のリニューアルオープンで、皆様にお会いできることを心より楽しみにしております。



