デンタルコラム

マウスピースの費用って、結局いくら?歯医者が正直にお話しします

マウスピースと計算機

みなさん、こんにちは。大阪・十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。

「朝起きるとアゴが疲れている」
「家族に歯ぎしりを指摘された」

そうした理由で「歯医者でマウスピースを作ってみようかな」と考え始める方が、近年増えてきています。しかし、いざ作ろうと思うと気になるのがお金のこと

健康保険は使えますか?
最終的にいくらくらい必要ですか?

というご相談を、当院でもよくいただきます。

そこで今回は、歯医者で作るマウスピースの費用について、健康保険のルールも含めて正直にお話ししていきたいと思います。

目次
  1. マウスピースの費用って、結局いくら?
    1. マウスピース代「以外」にかかるお金の話
    2. 【要注意】虫歯が見つかった場合は治療が先!
  2. ナイトガードが保険で作れるのは「半年に1回」まで
  3. スポーツ用はなぜ高い?「約15,000円」になるワケ
  4. お手入れのコツと、「1日10円」のコスパ
  5. まとめ

マウスピースの費用って、結局いくら?

考え込んでいる女性

細かい話に入る前に、まずはマウスピースの種類別の費用をまとめておきましょう。

種類主な目的費用の目安保険適用の有無耐用年数の目安
ナイトガード(保険診療)歯ぎしり・食いしばりの緩和、顎関節症の治療約6,000円*(型取り・マウスピース代含む)約2年(個人差あり)
スポーツ用スポーツ中のケガ防止約15,000円(型取り・マウスピース代含む)競技や使用頻度による

※3割負担・税込のおおよその金額です。

ただし、これはあくまでマウスピースに関する費用です。

私たち歯科医院の仕事は「患者様に頼まれてマウスピースを作り、お渡しすること」ではなく、「患者様のお口の健康を維持・改善するためのサポートをすること」。

そのためマウスピースを作る“まで”に検査を行う必要があるほか、患者様のお口の状態によっては治療が必要になる場合もあります。

したがって「マウスピースの費用」を考えるのであれば、こうした検査・治療にかかる費用についても知っておくことをおすすめします。

マウスピース代「以外」にかかるお金の話

マウスピースを作るためには、型取りをする前にまずアゴや歯の状態をきちんと確認しなければなりません。

その結果次第では、マウスピースを作るより先に治療が必要になるケースがあるからです。

国のルールで一律に決まっている「初診料・再診料」

日本の医療保険制度では、全国どこの歯科医院を受診しても、国が定めた基本料金(診療報酬点数)が適用されます。

  • 初めて受診する場合(初診料): 3割負担で約780円〜
  • 2回目以降に通院する場合(再診料): 3割負担で約170円〜

※医院の施設基準や受診する時間帯によって、数十円〜数百円程度の加算がつく場合がありますが、基本となる料金は一律です。

※再診料はマウスピースのフィッティング、お渡し時に必要となります。

保険適用の可否判断/安全のための「顎関節検査・レントゲン費用」

型取りをする前のアゴや歯の検査とは、アゴの関節が変形していないか、炎症が起きていないかを骨のレベルで確認します。

その際に「レントゲン撮影」や、お口の開き具合などを調べる「顎関節検査」を行いますが、これらの検査費用として、3割負担で約1,500円程度が別途かかります。

初診日の窓口負担の目安

ナイトガード(保険診療)を作るために初めて来院した日は、「初診料(約780円〜)」+「事前検査・レントゲン料(約1,500円)」で、お会計の総額は「約2,300円〜3,000円程度」になります。

型取りを行うタイミングなどによっても前後するため、初診時は少し多めにご予算を想定いただけましたら幸いです。

【要注意】虫歯が見つかった場合は治療が先!

事前の診察やレントゲン検査で虫歯が見つかった場合、多くのケースでマウスピースの作製よりも、虫歯の治療が優先されます。

これには、マウスピースという器具の性質上、避けて通れない明確な理由があります。

マウスピースは、現在のあなたの歯並びや歯の形に1ミリの狂いもなくピッタリ合うように作られます。

もし先にマウスピースを作ると、その後に虫歯治療で歯を削ったり、プラスチックの樹脂を詰めたり、金属の被せ物を入れたりした段階で、歯の最終的な形が変わってしまいます。

すると、せっかく作ったマウスピースがキツくてはまらなくなったり、逆にかみ合わせがガタガタになって浮いてしまったりして、最悪の場合は「一から作り直し(費用が再度発生する)」ということになりかねません。

そのため、お口の中の環境を完全に整えてから型取りを行うのが正しいステップなのです。

ナイトガードが保険で作れるのは「半年に1回」まで

夜間の歯ぎしり対策のマウスピースは「ナイトガード」と呼ばれます。

このナイトガードについては、診察でアゴの状態を確認し、「顎関節症」や「歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)」と診断がつけば、健康保険(3割負担)の適用が受けられます。

ただし、ひとつ大事な注意点があります。それは「半年ルール」。保険を使ってナイトガードを作った場合、国のルールで装着日から6ヶ月は、原則として2個目を保険で作れないのです。

「朝起きたらどこかに消えていた」
「飼い犬に噛まれた」
「ティッシュに包んでいたら、ゴミと間違われて捨てられた」
「お手入れに失敗して合わなくなった」

どんな理由でも、半年経っていなければ作り直しは自費になってしまう可能性が高いです。なので、取り扱いにはあらかじめご注意ください。

院長 奥田

当院では半年以内の作り直しには自由診療として税込15,000円をいただいています。「出張が多いので、自費で構わないから2つ作って欲しい」とおっしゃる患者様もいらっしゃいます。半年以内に2つ以上ナイトガードを作りたい場合でも、お気軽にご相談ください。

スポーツ用はなぜ高い?「約15,000円」になるワケ

ラグビーやバスケなど、接触のあるスポーツで使うマウスガードは、治療器具ではないので全額自費となります。

約15,000円と聞くと「どうしてそんなに高いの?」と感じるかもしれません。

スポーツ用品店には数百円〜数千円の市販品もありますが、お湯で柔らかくして噛むタイプは、どうしてもフィットが緩くなりがちです。

プレー中の接触でポロッと外れてしまった、といった声も少なくありません。

一方、歯科医院で作るカスタムメイドは、精密な型取りとかみ合わせ調整で、激しく動いてもズレにくいのが強みです。

歯が折れる・唇を切るといったケガを物理的に防ぐ効果が高く、脳震盪のリスクを和らげる効果も期待されています(日本スポーツ歯科医学会でも、その重要性が推奨されています)。

全力でプレーするための”保険”と考えれば、十分に価値のある金額だと思います。

お手入れのコツと、「1日10円」のコスパ

せっかくお金をかけて作るなら長く使いたいもの。そのために、正しいお手入れの方法をお伝えします。といっても手順はとっても簡単です。

  1. 朝、外したナイトガードを流水で優しく洗う。
  2. 水を入れたコップにナイトガードを入れ、市販の入れ歯洗浄剤を投入。*
  3. あとは夜、もう一度つけるまで水に浸したまま放置。
  4. 寝る前にナイトガードを流水ですすぎ、装着する。

※研磨剤入りの歯磨き粉は傷の原因になるので避けてください。

これに対して、絶対にやめて欲しいのが、

  • 熱湯をかける/煮沸する
  • 水に浸さずにケースに入れて保管する

の2つです。マウスピースは特殊な樹脂でできていて、熱にとても弱いため、熱湯をかけたり煮沸したりすれば、一瞬で変形して、二度とはまらなくなります。

またこの素材は乾燥にも弱く、水につけておく、もしくは濡れたティッシュやガーゼなどにくるんでおくといった状態にしておかなければ、やはり変形してはまらなくなったり、アゴが痛くなったりする可能性が高くなります。

正しくお手入れすれば、ナイトガードの寿命は平均2年ほど。仮に検査料込みで7,000円かけて2年使ったとすると、

7,000円 ÷ 730日 ≒ 約10円/日

1日たった10円前後の費用です。

歯ぎしりや食いしばりには想像以上に強い力がかかり、ご自身の体重ほどの力が歯にかかることもあるといわれます。

その力から大切な歯を守れると思えば、かなりコストパフォーマンスの高い投資ではないでしょうか。

まとめ

最近の歯科では、歯ぎしりは単なる悪い癖ではなく、日中のストレスを睡眠中に逃がすための生理現象、という見方もあります。

当院では、この行為を無理に抑え込むのではなく、「そこから生じる歯やアゴへのダメージを、マウスピースで優しく防ぐ」という考え方を大切にしています。

マウスピースは作って終わりではなく、削れ具合に合わせた定期的な微調整も欠かせません。

「自分の場合はいくら?」「まずアゴを診てほしい」という方は、どうぞお気軽にお電話からご相談ください。

院長 奥田

まずは検査のご予約だけでも大歓迎です。皆様からのご予約をお待ちしています。

診療内容

当院について

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院長紹介

奥田 裕太

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

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