皆さん、こんにちは。大阪・十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。
今回のデンタルブログは大きく2部構成に分かれています。
【前半】
歯科医師の先生方向け。私が講師として参加する、歯科治療向上のための最高の研究機関「JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)」の研修コースについてご紹介します。
【後半】
患者様向け。上記のコースでは「デジタル審美デザイン」について学びます。後半では、なぜ歯科医師が「デジタル」「デザイン」を学ぶのかについて、わかりやすくご紹介します。
もちろん両方を読んでいただければ嬉しいですし、どちらか一方だけを読んでいただいても構いません。
歯科医師免許に更新制度はありません。しかし、歯科治療の研究は日進月歩で進んでおり、5年前と現在でも“できること”は大きく違います。
納得・理解して、安心できる治療を受けるためには、患者様側に「知識・技術をアップデートしている歯医者」を選んでいただく必要があります。
このブログが、そうした患者様の「一生のお口のパートナー選び」に役立てば、こんなに嬉しいことはありません。
【歯科医師向け】JIADS “Digital Esthetic Design” Courseコース開講のお知らせ
このたび、JIADS における Digital Global Prosthodontics(DGP)コースが内容を再編し、新たに Digital Esthetic Design Course(DED)コース として開催されることになりました。
私自身も講師の一人として登壇します。
コース内容刷新の背景
今回、コース内容を刷新した背景には、デジタル機器を取り巻く環境の大きな変化があります。
口腔内スキャナー(IOS)をはじめとするデジタルデバイスが登場してから時間が経ち、DGPコースで扱ってきた「機器の紹介」や「基本的な使用方法」は、無料セミナーやオンラインコンテンツでも容易に触れられるようになっています。
そこでDEDコースでは、“機器の扱い方”から一歩踏み込み、デジタル技術を「審美補綴治療のクオリティ向上にどう活用するか」に焦点を移しました。
単なる操作習得にとどまらず、デザイン思考、診断力、治療計画立案、そして臨床応用まで一貫したワークフローを学べる点が、本コース最大の特徴です。
コースの日程とテーマについて
コースは 全2回・計4日間(各回:土曜午後〜日曜) の受講しやすい日程で構成されています。テーマは大きく3つに分けられています。
① Smile Visualization
写真・動画撮影の基本、顔貌分析から始めるスマイルデザイン、デジタルモックアップへの落とし込み、患者への効果的なプレゼンテーションまでを体系的に習得します。
審美補綴治療の設計思想をデジタルで“見える化”し、患者様のご理解と同意形成を高める手法を学びます。
② Gummy Smile の診断と治療実習
デジタル時代の診断手法、分類、治療ステップを模型を用いて実習します。
外科的・補綴的アプローチを、理論と手技の両面から整理し、臨床にそのまま応用できる形で習得できる内容です。
③ デジタルで進化するインプラント治療
診断から埋入・補綴までの最新ワークフローを包括的に解説します。
ガイドサージェリーを前提とした計画設計と、臨床上の留意点を明確にし、治療の予測性と安全性を高める視点を学びます。
充実の講師陣
講師陣は、タフツ大学歯学部補綴科大学院を修了し米国ボード認定補綴専門医である須田剛義先生、ニューヨーク大学歯学部インプラント科を修了し米国インプラント専門医として活躍される筒井純也先生、そして私の3名です。
さらに、JIADS理事であり朝日大学客員教授であられる瀧野裕行先生にコース監修をお願いしています。
デジタル技術が一般化した今こそ、治療を“設計する力”と、それを臨床に落とし込む“応用力”が問われる時代です。
DEDコースは、審美補綴のクオリティを一段上へ引き上げたい先生方にとって、確かな学びと実践の場となるはずです。ぜひ奮ってご参加ください。
【患者様向け】なぜ歯科医師に「デジタル」「デザイン」が必要なのか?
このデンタルブログをお読みの患者様の中には、「なぜ歯科医師が『デジタル』『デザイン』を学んでいるのか?」と疑問に思われる方もいるはず。
確かに、昔ながらの歯医者をイメージしている人にとっては、歯科医師とデジタル、デザインはかけはなれたもののように感じるかもしれません。
しかし、実はこのDigital Esthetic Design Course(DEDコース)という研修には、患者様が安心、納得し、「絶対に後悔しない治療」を受けるために必要不可欠なノウハウがぎっしりと詰まっているのです。
DEDコースの3本柱
今回のDEDコースの柱となっているのは、
- デジタルを活かした審美的なデザインの作成方法
- 患者様へのプレゼンテーション方法
- 実際の臨床手技
の3つ。
このうち、「実際の臨床手技」が患者様にとってプラスになることは、想像しやすいかと思います。
対して、「デジタルを活かした審美的なデザインの作成方法」「患者様へのプレゼンテーション方法」については、イメージが難しいかと思います。
以下で詳しく見ていきましょう。
“治療のゴール”が見える
<納得と安心>を作る、デジタル審美デザイン
歯科治療、とくに審美領域では「どんな歯になるのか」「どんな笑顔になるのか」が最も気になるところです。
しかし、従来の治療では、完成形を明確にイメージしにくいという課題がありました。
デジタル技術を活用した審美デザインでは、患者様の顔貌(顔立ち)、唇の動き、笑ったときのバランスなどを踏まえ、治療前の段階で完成イメージを可視化できます。
これにより、
- 前歯の形や大きさ
- スマイルライン(歯並びの弧のライン)
- 歯の傾きや配置
- ガミースマイルの見え方
といった細かなポイントを、治療前に確認しながら設計できるようになっています。
「鏡を見た時に自然に見えるか?」
「仕事の場面でも自信を持てるか?」
「笑うときに違和感が出ないか?」
こうした部分を治療前から共有できるため、治療後の「こんなはずじゃなかった……」というギャップを減らし、納得感の高い結果につながります。
“治療の道筋”が見える
<理解とモチベーション>を生む、患者様へのプレゼンテーション
もう一つ重視しているのが、患者様への説明の質を高めることです。
歯科治療では、治療方針を決める際に専門用語が多く、理解が難しい場面が少なくありません。
しかし、デジタル化によって「見てわかる説明」が可能になり、患者様の理解度は大きく変わっています。
例えば、
- 3Dの画像で歯の状態や治療箇所を確認
- 模型やモックアップで治療後のイメージを再現
- 写真や動画で「今」と「理想」の違いを比較
こういったプレゼンテーションがあることで、治療の全体像が明確になります。
治療の選択肢を説明する際にも、
「どの方法が自分に合っているのか」
「どんなメリット・デメリットがあるのか」
を視覚的に理解しやすくなるため、不安や疑問が大幅に減り、自分で納得したうえで治療に進めるようになります。
まとめ
患者様に「絶対に後悔させない治療」を提供するために
歯科医師がこうした学びを続ける目的は、最新技術を使うことそのものではありません。
あくまで、患者様が「治療に納得」し、「仕上がりに満足」し、「日常生活で自信を持てるようになる」ための手段です。
どれほど治療技術が進んでも、最終的に大切なのは患者様が安心して治療を受けられること。
そのために必要な知識と技術を磨く場として、今回ご紹介したような研修コースが日々開催されています。
研修の際は土曜日にお休みをいただきますが、今後も患者様に還元できるような知識と技術を他の歯科医師の先生方とともに磨いてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

なお私が不在の場合でも、他の歯科医師が責任を持って診療を行っております。緊急の場合は遠慮なくお電話にてご相談ください。


