「いびきがうるさいだけ」
「最近ちょっと疲れ気味なだけ」
そう思って、特に気にせず過ごしていませんか。
みなさん、こんにちは。大阪・十三のおくだ歯科医院、院長の奥田裕太です。
いびき、日中の強い眠気といった症状は、確かに決して珍しくありません。しかしその裏には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気が隠れていることがあります。
この病気は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりすることで、体にさまざまな負担をかける「放っておくと怖い病気」の一つです。
一般的には「睡眠外来」や「呼吸器内科」で診る病気、というイメージが強いかもしれません。
ところが近年、歯科医院も睡眠時無呼吸症候群と深く関わる存在として注目されるようになってきました。
実際、歯科先進国といわれるアメリカでは、歯科医師が「気道」や「口の中の構造」から無呼吸のリスクを評価することが、すでに一般的になっています。
今回はそんな「歯医者と睡眠時無呼吸症候群」の深い関係について、
- 睡眠時無呼吸症候群の症状・リスク
- 心当たりがある場合の適切な相談先
などの観点から、わかりやすく解説します。
いびき・日中の眠気は放置しないでください

こんな症状に心当たりはありませんか?
- 家族やパートナーから、いびきや無呼吸を指摘されたことがある
- 十分に寝ているはずなのに、日中に強い眠気がある
- 朝起きたときに頭が重い、熟睡感がない
- 集中力が続かず、仕事や運転中にヒヤッとしたことがある
これらは「年齢のせい」「疲れているだけ」と見過ごされがちですが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因で、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
いびきは「音」だけの問題ではありません
いびきは、眠っている間に空気の通り道(気道)が狭くなり、振動が起こることで生じます。軽いいびきであれば大きな問題にならないこともありますが、
- いびきが大きい
- 毎晩続く
- 途中で呼吸が止まる
といった場合には注意が必要です。
なぜなら、これらは睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状だからです。
酸素は人間の体にとってなくてはならないもの。
ところがこの病気にかかると、眠っている間に呼吸が止まる、あるいは極端に浅くなることで、体は十分な酸素を取り込めなくなります。
その結果、脳や心臓をはじめとした全身に負担がかかり、さまざまな合併症につながるのです。
事実、複数の重要な研究で、睡眠時無呼吸症候群を放置することで死亡リスクが増加するという報告があげられています。
睡眠時無呼吸症候群の代表的な合併症
- 高血圧(生活習慣病)…リスク1.5倍
- 糖尿病(生活習慣病)…リスク2倍
- 心臓や脳の血管の病気(循環器疾患)…リスク3〜4倍
※睡眠時無呼吸が見られない人と比べて。
この他、日中の眠気による仕事のミスや交通事故、気分の落ち込みなど、生活の質そのものにも大きく関わります。
成人男性や、閉経後の女性は要注意
「睡眠時無呼吸症候群は欧米人に多く、日本人には少ない」
そう思われがちですが、2018年に行われた世界最大規模の疫学調査「ながはまコホート研究」の結果では、
- 成人男性のおよそ4〜5人に1人
- 閉経後の女性のおよそ10人に1人
に無呼吸症候群が見られたという結果が出ています。軽度のものまで含めると、かなり多くの人が該当するでしょう。
つまり、日本人だからといって「自分は関係ない」と言い切れる病気ではないのです。
心当たりがある人は、どこに相談するべき?

では、いびきや日中の眠気が続き、「もしかして睡眠時無呼吸症候群かも」と感じたとき、どこに相談するべきなのでしょうか?
まず受診すべきは、睡眠外来などの「医科」
睡眠時無呼吸症候群は、れっきとした全身の病気です。
そのため、
- 本当に無呼吸が起きているのか
- どの程度の重症度なのか
- 治療が必要な状態なのか
といったことを判断するには、医師による専門的な検査と診断が欠かせません。
睡眠外来や呼吸器内科では、睡眠検査などを通じて、無呼吸の有無や重症度を正確に評価します。診断と治療方針の決定は、必ず医科の役割です。
しかし、「医科にさえかかっていれば良い」というものでもないのが、睡眠時無呼吸症候群という病気です。
いびきが気になる人が、歯医者に“も”行くべき理由
睡眠時無呼吸症候群は、「呼吸が止まる病気」ですが、その原因は一つではありません。
実は多くの場合、寝ている間に気道が物理的に狭くなることが大きく関わっています。
たとえば、
- 下あごが小さい、または後ろに下がっている
- 舌が大きく、のど側に落ち込みやすい
- 噛み合わせや歯並びの影響で、口の中の空間が狭い
こうした「口の中やあごの構造」は、気道の広さに直結します。これらの専門家こそが、お口の中を日常的に診ている歯科医師なのです。
歯科先進国といわれるアメリカで、歯科医師が睡眠時無呼吸症候群のリスクを評価することが常識になっているのはそのためです。
歯科・医科両方の視点が必要
睡眠時無呼吸症候群においては、
- 医科が「診断と全身管理」を担い、
- 歯科が「お口や気道などの構造的なリスクの評価」を担う
というように、医科・歯科それぞれに役割があります。どちらか一方だけで完結する病気ではないのです。
だからこそ、近年は「医科と歯科が連携して診る」ことの重要性が、国内外で強く意識されるようになってきた、というわけです。
いびきや日中の眠気など、「睡眠時無呼吸症候群かも?」という心当たりのある方は、睡眠外来や呼吸器内科に加え、歯科医院の受診もおすすめします。

いびき・睡眠時無呼吸と「歯医者」の深い関係とは?〜現役医師たちが学び、考えていること〜では、現在の睡眠時無呼吸症候群に対する医療界の認識について、先日私が参加してきた学会のレポートを通じて紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
まとめ
いびきや日中の強い眠気は、単なる生活習慣の問題ではなく、睡眠時無呼吸症候群という病気のサインかもしれません。
まだ無呼吸の検査を受けたことがない方は、まず医科での検査を。
すでに医科に通院している方でも、お口や顎の構造という視点から歯科で評価を受けることで、新たな気づきが得られる場合があります。
大阪・十三のおくだ歯科医院では、歯科としての役割を大切にしながら、必要に応じて医科と連携し、患者様一人ひとりにとって最善の選択を一緒に考えています。
いびきや眠りについて気になることがあれば、「こんなことで相談していいのかな」と思わず、どうぞお気軽にお電話にてご相談ください。

当院では初めて受診される患者様にとって大切な情報を正確に伺い、適切にご案内するため、お電話でのご予約をお願いしております。皆様からのお電話をスタッフ一同お待ちしております。


