院長紹介

院長紹介

医療法人 おくだ歯科医院
歯周病・インプラントセンター 院長

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。
大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

1982年生まれ。大阪十三で「おくだ歯科医院」を経営。
大切にしているのは「患者様と一緒に悩み、一緒に成長し、笑える、二人三脚の治療」。

院長就任のご挨拶

2020年2月、おくだ歯科医院の院長に就任いたしました。

先代院長である奥田裕司が大阪十三におくだ歯科医院を開業して今年で36年目を迎えます。

幼少期から父の背中を見て育った私は、歯科医師免許を取得後、他院で技術の研鑽を積む日々を過ごし、2014年におくだ歯科医院に入社しました。

誰よりも近いところで父の仕事を見、歯科医師として共に全力を尽くしてきました。

父が大切にしてきた「一度診た患者様のお口の健康については、一生涯責任を持つ」という思いを引き継ぎ、患者様により信頼される歯科医院となるべく精進して参りますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

また、新院長となった私の歯科医療への考えや向き合い方を自己紹介の意味も込め、以下にご用意させていただきました。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

目次
  1. 歯科医師を目指したきっかけ
    1. 一流の歯科医師である父のもとに生まれて
    2. 初めて知った父の仕事への思い
  2. 先代のおくだ歯科医院から学んだこと
  3. 見えてきた日本の歯科医療が抱える問題
    1. 歯科業界側の問題
    2. 結果、日本人の8割が歯周病という現状
  4. だからこその歯科医師のあり方
    1. 予防の観点から「一口腔単位」での治療を
    2. 患者様一人ひとりと向き合い、二人三脚で治療を進めていく
    3. 最新の知見を取り入れ、技術を磨くことを怠らない
  5. 患者様に教えてもらった「歯科医師の使命」
  6. お口の健康の大切さを知ってほしい

歯科医師を目指したきっかけ

一流の歯科医師である父のもとに生まれて

私の父、奥田裕司は日本におけるインプラント治療黎明期からこの治療法を実践してきた歯科医師の1人でもあり、その技術力は全国的に高く評価されています。

自分の父をこんなふうに言うのは照れくさいですが、歯科医師として心から尊敬しています。

一方で、私が子どもの頃、父が家にいた記憶はほとんどありません。普段は毎日遅くまで仕事、休みがあっても学会や勉強会に参加していたからです。

もちろん、膝を突き合わせて、父の仕事や私の将来について話すようなこともありませんでした。

そんな関係のまま、私は高校に進学。部活動のラグビーに明け暮れる毎日を送ります。

恥ずかしながら、私は贔屓目に見ても真面目な高校生とは言えなかったため、将来のことについて真剣に考えることもしていませんでした。

初めて知った父の仕事への思い

能天気な私にとって大きな転機になったのは、高校2年も半ばに差しかかったある日でした。

滅多に話しかけてこない父が「おい、飯でも行くか」と食事に誘ってきたのです。正直なところ、最初は「ラグビーばかりして、ろくに勉強をしていないことを責められるのか」とビクビクしました。

ところが行きつけの店につくなり、父が話し始めたのは、自分が若い頃何を考え、どんなことをしていたか、そして歯科医師としての仕事にどれだけ情熱を燃やしているのかということでした。

おそらくは、親子としての初めての真剣な対話。その中で私は、純粋に父のことを1人の男として尊敬し、そんな父が心血を注ぐ歯科医師という仕事に強く惹かれるようになりました。

それから約2年後、晴れて私は歯学部生として歯科医師を目指すことになったのです。

先代のおくだ歯科医院から学んだこと

先代のおくだ歯科医院から学んだこと

歯学部の6年間のカリキュラムを終え、歯科医師免許の国家試験にも合格した私は、父の経営するおくだ歯科医院とは別の医院に就職しました。

当時の私にとっての仕事のやりがいは、もっぱら「うまく治すこと」でした。

虫歯によって悪くなった部分を「う蝕」と言いますが、これをうまく削られたことや、削った後の穴にきれいなかぶせ物や詰め物を入れられたことに、達成感を感じていたのです。

そうして3~4年間歯科医師として経験を積んだ私は「これで自分も親父の役に立てる」という自信とともに、おくだ歯科医院に転職します。

ところが、そんな自信はほどなくして打ち砕かれることになります。

おくだ歯科医院は定期検診(リコール)のシステムが整っているため、10年、20年と通い続けている患者様がたくさんいます。

したがって一度虫歯を治しても、それが根本的な原因の解決になっていなければ、いつまで経っても患者様のお口が健康になることはありません。

自分が一歯単位、対症療法的な歯科治療にどっぷりと浸かっており、歯科医師の使命を全く果たせていないことを思い知らされたのです。

見えてきた日本の歯科医療が抱える問題

歯科業界側の問題

歯科医として経験を積む中で、現在の日本の歯科業界の大きな問題が明確に見えてきました。非常に心苦しくはありますが、お口に悩みを抱える方にとって「お口の健康と誠実に向き合ってもらえる歯科医院」に出会うことは難しいと感じています。

以下の3つが大きな理由だと考えています。

一歯単位、対症療法的な
歯科治療
「悪いところ」だけを治す歯科治療。症状が出てから治療が始まることが多い。
歯の病気は自覚症状が出た頃には重症になっているため、治療に時間や費用がかかる。
技術を磨かない
歯科医師の存在
歯科治療の研究は常に進歩しているので、よりよい治療のためには技術の研鑽が不可欠。
しかし歯科医師免許には更新制度がなく、技術力を磨こうとしない歯科医師も少なくない。
再診料をあてにする
医院経営
一般的な歯科医院の年間売上の数%は、再診料で占められている。
そのため再診料を目的に治療を細切れにする歯科医院も存在する。
しかしそれでは病気を治すどころか、症状の進行を招く可能性が高い。

結果、日本人の8割が歯周病という現状

「日本人の8割が歯周病」という話は有名ですが、大阪大学歯学部長なども参加している団体「オーラルプロテクトコンソーシアム」の調査によれば、米国と欧州出身の在日外国人100名のうち約7割が「日本人の口臭にガッカリした経験がある」と回答しているというデータもあります。

これには、日本人が外国人に比べてオーラルケアへの意識が低いことも影響しています。

前項の問題が影響し、歯科業界が広く一般にオーラルケアの必要性を周知できていないことや、そもそも積極的に情報を発信する歯科医師が少ないことも、大きな要因になっていると思われます。

だからこその歯科医師のあり方

だからこその歯科医師のあり方

歯科医師の本来の使命である「患者様のお口の健康を一生涯に渡って守ること」を実践するためには、歯科業界が抱える問題と向き合い、患者様一人ひとりに適した歯科医療を提供しなければなりません。

そのために、私はいつも以下の3点を胸に刻んで仕事に臨んでいます。

  • 予防の観点から「一口腔単位」での治療を行う。
  • 患者様一人ひとりと向き合い、二人三脚で治療を進めていく。
  • 最新の知見を取り入れ、技術を磨くことを怠らない。
予防の観点から「一口腔単位」での治療を

予防の観点から「一口腔単位」での治療を

「悪いところ」だけを治す一歯単位治療に対し、お口全体のことを考えて行う治療を「一口腔単位治療」と言います。

お口の病気には、現時点で病気になっている歯だけでなく、それ以外の歯の状態、唾液の質や量、生活習慣なども影響します。そのため1本の歯を治すだけでは、本当の意味でのお口の健康を実現することはできません。

また前述したように、お口の病気は自覚症状が出るまでに時間がかかるため、痛みなどが出た頃には重症化しています。

症状が進むほど治療には時間と費用が必要になりますから、患者様の身体的・経済的負担も大きくなります。このような事態を防ぐためには、予防の観点から事前に治療を進めておかなければならないのです。

患者様一人ひとりと向き合い、二人三脚で治療を進めていく

患者様一人ひとりと向き合い、二人三脚で治療を進めていく

私は、治療時には歯科医師としての考えをわかりやすく説明するとともに、患者様の考えや事情をできるだけ時間をかけてヒアリングします。

お口の病気になる原因は人それぞれ微妙に違っています。また治療にかけられる時間や費用、痛みの許容度にも個人差があります。ヒアリングをせずに紋切り型の治療を行なっていては、こうした個人差に対応できません。

加えて説明やヒアリングを通じて治療への理解を深めてもらうことで、患者様自身に治療に「参加」してもらいたいという意図もあります。

歯科に限らずどんな医療でも同じですが、医師にできるのは「病気を治す手助け」だけです。

歯科医師の立てた治療計画どおりに通院する、指導された通りに歯磨きをする、喫煙などの生活習慣を改める……病気を治すためには、そうした患者様自身の「参加」が欠かせないのです。

最新の知見を取り入れ、技術を磨くことを怠らない

最新の知見を取り入れ、技術を磨くことを怠らない

歯科治療の技術は、少しずつではありますが、日々進化を続けています。それを知らずに目の前の患者様にだけ対応していれば、いつかは知識が古くなり、より良い歯科治療を提供できなくなります。

患者様の負担やリスクが低く、より高い確率で成果が見込める治療を提供するためには、学会や勉強会などへの積極的な参加が不可欠です。

正直なところ、月に5日程度、多い時は10日近く学会や勉強会に参加するのは楽ではありません。

しかし他の歯科医師との意見交換を通じて新しい知見に出会ったり、専門的な技術を持つ歯科医師から手ほどきを受けたりと、学会・勉強会から得られるものはたくさんあります。

したがって「患者様のお口の健康を一生涯に渡って守ること」を実践するためには、最新の知見を取り入れ、技術を磨くことを怠るわけにはいかないのです。

患者様に教えてもらった「歯科医師の使命」

患者様に教えてもらった「歯科医師の使命」

私の歯科医師としてのスタンスに決定的な影響を及ぼしたのは、父が数十年診ていた患者様が亡くなられたとき、そのお子様からいただいた言葉です。

「奥田先生(父のことです)のおかげで、母は最期まで自分の好きなものを美味しそうに食べていました。入院中も『病院で入れ歯を使ってないのは自分だけだ!』としょっちゅう自慢していたんです。本当にありがとうございました」

長年通院いただいていた患者様が亡くなられたことは、当然悲しい出来事です。

しかし同時に私は、「ああこの言葉こそ、歯科医師にとって最高の褒め言葉だ」と心の底から嬉しく思いました。

自分が診ていた患者様ではありませんでしたが、歯科医師としての仕事を認めてもらったように感じたからです。

そして、この出来事を境に私は「歯科医師の使命とは、患者様のお口の健康を一生涯に渡って守ることなんだ」と思うようになったのです。

お口の健康の大切さを知ってほしい

お口の健康の大切さを知ってほしい

歯科医師としての私の考え方や、日々学会や勉強会で得た最新の知見など、歯科医療に関する情報を積極的に発信することで、患者様に「お口の健康」を実現・維持するための知識を手に入れていただく。

今回ホームページをリニューアルしたのはそのためです。

確かに私やおくだ歯科医院の治療のやり方は、「悪いところだけ直してほしい」という患者様にとっては回りくどく、面倒に思われるかもしれません。

しかし私や当院のスタッフは、これこそが患者様にとっての本当の意味での「お口の健康」を実現する方法だと信じています。

そのため、患者様にも私たちを信じていただき、お口の健康における一生涯のパートナーとして、ともに治療を進めていっていただきたいと考えています。

本サイトを通じて、「こんな歯科医師(歯科医院)に自分の口の健康を任せたい!」と思っていただければ、こんなに嬉しいことはありません。

奥田 裕太