迷っている患者さんのために

迷っている患者さんのために

インプラント治療を任せるに値する信頼できる医師選びのポイントについて書かせてもらいますね。

私の経歴はインプラント治療を始めて現在で30年、行っている私なりの考えですので、もしまだどの歯科医院でするか悩まれているのなら参考にしてくれればと思います。

①少なくとも5年間以上インプラント治療をしており、年間10症例以上していること

少なくとも5年以上、できれば10年以上、年間に最低10回以上の手術をしている先生を選ぶべきだと思います。一年に数回では複雑な手順や手術の手順などもスタッフや歯科医師も忘れてしまう可能性が高いと言えますし、やはり経験数は色々な手術に遭遇するという意味では大切は要素の一つと言えます

②ちゃんとメンテナンス(定期健診)が行われているか?

まず、自分の治療した患者さんに定期健診をおこないその後を観ているかという姿勢が大切です。手術して終わりの歯科医師は避けた方が無難です。

そしてインプラントの生存率(術後、抜け落ちてしまっていないか?)が10年で90%以上の医院を選ばないといけません。100%という医院も逆に避けた方が無難でしょう。

これも数字のマジックで、10年で5人しかなく5人が成功していたら、成功率100%になります。ですが、多くの患者さんに手術を行うと難症例も多く手がけることになるため、100%はあり得ないと思います。

現在当院でその後定期的に医院に来て頂いてる患者さんの成功率は96%です。

③手術環境は整っているか

完全にインプラント専用のオペ室がなくても良いと思いますが、個室あるいは個室がないなら、少なくとも治療する時は他の患者さんの治療をしない環境でないと清潔さを求められる治療の成功率は下がり、感染のリスクが増えます。

また担当医やアシスタントも滅菌済みのオペ着(ばい菌の全くいない服)を着て、患者さんの顔の上も滅菌した被布で被い、血圧・心電図なども観察しながら全身管理もしてくれているかも判断する材料になると思います。

④自身の症例が多く掲載されているか

私なりの考えですが、HPで「インプラントをしている」 「値段が安価」 「通院に便利」などの理由で歯科医院を選ぶことは非常に危険です。

インプラント会社の手術のパンプレットをコピーしてHPに掲載しているものを見かけますが、自分の歯科医院の手術の写真やレントゲン写真などが多く掲載されていること、また治療の講習会のインストラクターやアドバイザーなど治療を正しく他の歯科医師に教える立場にある先生を選ぶことも一つの方法かと思います。

そして信頼と実績のある一流のメーカーを使用しているかも大切です。概ねそのようなインプラントは高価であり、前述したように他の患者さんを診察しない、清潔な環境にするために滅菌したオペ着や使い捨ての器材を使い、また万が一、上手くいかなかった時の再手術こと、治療後の保証のことなどを含みますとどうしても必要な費用がかかりますので、一般的な料金の半額で治療できる医院もお勧めできないと思います。

またどれくらい期間の保障制度を設けているかも選択の一つかもしれません。またインプラントは骨と結合するのに通常約2か月以上必要しますので、1~2回の予約で最終インプラント治療が終了する治療は避けた方が良いと思います。

⑤現状の口の中の状態をきちんと検査してくれるか

歯が無い所を見ると、そこに治療をすぐ進める医院も危険と思います。その隣の歯やかみあわせの歯の状態、できればお口全体の歯や歯ぐきの状態まで、しっかり検査してから、どの部分に何本インプラントが必要で、残こっている歯や歯ぐきにはどのような治療が必要かを、教えてくれる歯科医院で治療をするべきでしょう。

残念なことに他の医院で抜けている部分にインプラントをしてもらい、その後半年も経たない間にその隣の歯がぐらぐら揺れてきてしまい、再びその病院に行くとその隣の歯も抜いてインプラントを勧められたことを疑問に思い当医院を来院される患者さんもここ数年多くいらっしゃいます。

患者さんが今困っている現状を改善するだけでなく、その患者さんの少なくとも10年後のお口の健康を考えて診断し、治療を提案してくれる歯科医院選びをしないと、治療に費用をかけてもお互いに満足できる結果は決して望めないことになります。

また現在はCTを用いて3次元的に手術前にインプラント入れる場所を決めて手術にあたる時代です。ですから、CTの撮影をせずいきなり手術をする医院はいくら経験があり、今までの勘で対応できるといえ時代錯誤ですし、大きな失敗を起こす危険があると私は思います。

一度、CTによる診断をするとレントゲンだけでは見えなった色々なことが診断できますし、インプラントの難しい手術を多く手がければ手がけるほどCTの診断の必要性を感じるのが現実ではないでしょうか?その意味では自分の医院にCT装置を持っておられる医院は多くのインプラント手術や難しい手術を行っていると言え、選択する一つの要素と考えて間違いないと思います。

⑥術前にきちんとした説明を行っているか

私達の考えは、インプラント治療は歯を失ってしまった部分への治療の一つの選択肢であると考えています。歯を失ってしまった部分をどのような方法で補うかも大切なことですが、それ以上に大切なことは、なぜその歯を失ってしまったか?その原因は何か?を調べることがもっと大切になります。

その原因が歯周病か、虫歯か、治療方法が不適切あったかのか、噛みあわせが良くなかったのかなど、歯を失った原因をしっかりと見つけてその原因を一緒に治療しなければその治療したインプラントも失うことになるかです。

家が古くなりリフォームしないといけないのに、悪い部分を十分に調べて建て替えの設計図を作らず、雨漏りがするとその部分を直し、しばらくして壁が傷んでくるとそこを修繕するといったその場しのぎ修理を繰り返すと、結局は期間と費用が無駄になり長持ちしない結果となります。

お口の中も同じことが言えます。検査、診断をして、その結果から悪い歯や歯ぐきの治療を行い、どうしてそのようになってしまったかを診断して再発しないように対処する。それからどうしも抜かないといけない部分、あるいはすでに抜けてしまった部分に入れ歯かブリッジかインプラントで補う治療法を患者さんに選択して頂くことが長期に渡り治療したものが長持ちして再発しないためには必要となってきます。

図に示すように歯が無くなると治療法として入れ歯、ブリッジ、インプラントの3通りの治療法があります。それぞれの方法に利点と欠点があります。

 

ブリッジ入れ歯インプラント
種類bridgefalse-teeth

implant

特徴

長所

  • 自分の歯のように噛める
  • 自然の歯と同じ様な外観を回復できる
  • 治療期間が短い

長所

  • 治療期間が短い
長所
  • 自分の歯のように噛める
  • 自分の歯と同じ様な外観を回復できる
  • 咬み合わせの安定を長期間保つ事ができる
  • 失った歯の数が多い場合にも処置が可能
短所
  • 自分の歯を削らないといけない
  • 土台の歯に負担がかかる
  • 両側に歯がないと出来ない
  • 失った歯の数が多いと処置できない
短所
  • 装着による違和感を生じやすい
  • 入れ歯を支える骨や歯の喪失を招きやすい
  • 噛み合わせを長期間維持出来ない
  • 自然な外観をそこねる
短所
  • 治療期間が長い(治療回数、来院回数は少ない)
  • 数回、外科処置が必要になる
  • 比較的費用がかかる
審美性★★★★★★★★★★
耐久性★★★★★★★
機能回復★★★★★★★★
生体親和性(安全性)★★★★★★★★★★
期間★★★★★★★
価格★★★★★
おすすめ度★★★★★★

現在のチタン製のインプラントが日本で約30年前に臨床応用される以前は、私達は取り外しの入れ歯と抜けている両隣の歯を削り、両隣の被せとつないで抜けているところに歯を入れるブリッジの2つ方法で歯のない所に歯を作っていました。

しかし、これらの方法は抜けているところを補うために、残っている歯に負担をかける方法でした。入れ歯の針金をかけている歯は汚れがたまり易く、虫歯や歯周病になりやすい。

針金をかけている歯は汚れがたまり易く、虫歯や歯周病になりやすい。

またブリッジを入れる為には両隣の健康な歯を削らなければならない。

ブリッジ装着前ブリッジ装着後

ある大学病院の統計でいくと、一般の歯科治療(保険治療)の寿命は平均、短くて5年、長くて7年で再治療が必要になるとの報告です。

このように抜けているところを補うために残っている歯の寿命を短くしていまい、結果人生の後半(70歳以降)に多くの歯を失うのが日本における現状と言えます。

その観点から言えば、インプラント治療は、患者さんに失ってしまった歯を補うことに他の歯に負担をかけることなく、歯を元の状態に回復できる画期的方法が治療法に加わったと言えます。

この方法を上手く活用すれば隣の歯や歯ぐきに負担をかけることが無くに再治療の可能性が大幅に減り人生の後半においても治療していないご自身の歯を多く残し、幸せで快適な食生活や人生を謳歌できると思います。

⑦構造

インプラント治療は、人工歯根をあごの骨に埋めるための手術が必要です。 あごの骨に穴をあけて人工の歯根を埋め込み、それが骨と結合したらその上に人工の歯をかぶせます。

インプラントの構造

インプラントは、下記3つの部品で構成されています。

    •人工歯根(フィクスチャー) •連結部分(アバットメント) •人工歯(上部構造)

特徴

インプラント治療は保険が適応されない自由診療なので、費用は1本30万円前後となります。しかし、保険適応で治療できるブリッジ治療のように健康な歯を削る必要もなく、入れ歯のようなガタつきもありません。自分の歯と同じように噛めます。

そして、きちんとした手入れと定期的なメインテナンスを続ければ、その治療効果は半永久的に持続するのです。